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ウェンティ「「この都市が君を裏切った」と、彼を騙そうとする人が
いちゃいけない。
彼に「この都市を守ることが君の永遠の義務だ」と、
そう強いる人もいちゃいけないんだ。
彼には、自由に生き方を選べる権利があるはずだ」
自由……
それはとても儚く、見つけにくいもの……バルバトス様は昔からこの考え方を尊重してきた……この世で唯一、「自由」の言葉の意味を理解している人かもしれないね……
パイモン「ウェンティ……」
パイモンが久しぶりにウェンティを「吟遊野郎」ではなく、「ウェンティ」と呼んだ
これはパイモンなりの敬意の示し方なのだろう
ウェンティ「では、空、ユリス、モンド千年の風が君たちと共にあらんことを。
ボクは前回と同じように、君たちに「風」元素の力を導くよ」
ウェンティは胸に手を当ててニコリと微笑んだ
空はその言葉にハッとする
空「やっぱり、あの時の声は……」
パイモン「なるほどな!どうりで知ってる声だったんだ」
『では、私のこともすでにあの時、もうご存知で……?』
ユリスが恐る恐る尋ねると、ウェンティは少し黒い笑みで答える
ウェンティ「確証はなかったけどね。いや〜、まさか君がボクの言いつけを破るとは
思わなかったよ」
もう降りて来ちゃったんだから、仕方ないですよ……!
今さら蒸し返さなくたって……私だって破りたくて破ったわけでは……
…………………
でも……!!
どうして降りちゃいけないのか理由くらい教えてくれてもよかったではないですか……!
ユリスは頬を膨らませて、心の中でそんな愚痴をこぼす
ユリスは一旦心を落ち着けるために一つ息をつき、風龍廃墟の入り口を見つめる
そして隣の空と顔を合わせ、共に頷く
みんなで風龍廃墟の中へと進む
———さあ、ここからだ……!
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作者名:ゆっきーぷ | 作成日時:2023年3月11日 19時