なんか闇AUに加入することになったんだけど。 (ページ24)

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存在証明(過去編) ページ24

辺りを見渡すと、真っ暗な空間に、一人の男の子が立っていた。黒髪に白いメッシュをかけていて、瞳はルビーのように紅い色をしていた。
『あ、あなたは誰？』
？「ボク？ボクの名前はゼロ。君は、この地底の世界に落ちてきたばかりだね？」
『う、うん…』
ゼロと言った男の子は、薄ら笑いを浮かべて話す。
ゼ「どう、楽しかった？地上の世界は」
『どうって…』

正直、お母さんがいない地上の世界は、お世辞にも楽しいとは言えない。だから私は、死んでお母さんのところに行こうとして、ここに…。

ゼ「そっか、大変だったね」
『へ…？』

なんで、私の考えてたことがわかったの？

ゼ「それは、ボクが君の一番の親友だからさ！」
『親、友…？』
ゼ「そう、親友。だから、君の一番の理解者でもあるんだよ」
『理解、者…』

ゼロの声は、私を包み込むように優しい声だった。

ゼ「…君は、お母さん以外、友達がいなかったんだよね？」
『…うん…』
ゼ「学校のみんなは、君よりも妹のミハルちゃんと仲良くしていたんでしょ？優等生のミハルちゃんとさぁ」
『…う、ん…』
ゼ「酷い話だよね、君は君なのに」
『……』

おかしい。ゼロの声が、どんどん悪魔の誘いのように聞こえて来る。
ゼロの声は、いっそう熱を帯びていく。

ゼ「苦しくて、悲しいでしょ？どんどん、自分の存在が消えていくんだ」
『怖い、嫌だ…』
ゼ「そう、怖くて嫌。君を覚えている人は、いなくなる。君は、ずっと一人ぼっちだ」
『助けて…』ﾎﾟﾛｯ
目から、涙が溢れた。
ゼロは、その瞬間を見計らったように、
ゼ「だったら、いい方法を教えてあげる」
と言った。
『いい、方法…？』
ゼ「自分の強さを、ここで証明するんだよ」
『強さを、証明…。わかった。ありがとう、ゼロ！』
ゼロは、私の胸にナイフを押し付ける。そして最後に、こう呟いた。

ゼ「期待しているよ、Aちゃん」