緋色い裏側 6 ページ44
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さて、彼女が店から出たようだしボウヤとの通話も終了させた。
彼女の行動を鑑みるに、買い物が終わり次第 電話をしてくる可能性が高い。
・・・自身の買い物も済ませるのであれば、車を出してドライブと洒落込むのもいいかもしれないな
と思ったが、"お礼に伺うのだから迎えに来たら意味が無い"という理由で断られた。
ストーカーに狙われていることをもう少し自覚してほしいものだ。
こちらを標的にしてくれればすぐに解決するんだが・・・
やはりデートに誘うか
そんなことを考えながら待っていると、スマホ片手に該当したであろう建物を見て口を開けた彼女がやって来た。
門に辿り着いた彼女はチャイムを鳴らそうとしたが、表札が目に入り動きを止めた。
悩む素振りを見せたり、周りを見たりした後はスマホとにらめっこを始めた。
表札のことまで話していなかったし、一般的な反応と判断していいだろう。
ドアを開けると安心したような表情の彼女。
・・・これが演技だとしたら大した物だな
門を開けるとすぐさまあの厭わしい洗剤を差し出される。
彼女も洗剤にも罪はないが、俺は油が欲しかった。
「わざわざすみません、ありがとうございます。
そうだ、何か飲んでいかれますか?」
「い、いえ・・・
嬉しいお誘いですが、買い物が残ってますので・・・」
「そうでしたか。
私も買い物がありますし、車 出しますよ」
そう言えば微かに揺れる瞳。
先程からのように断らないところをみると、魅力的な提案らしい。
これはチャンスだ
直感がそう告げている。
何のチャンスかはさて置き、中で待つよう手を引くと意外と素直についてきた。
「お邪魔します・・・」
「中で待っていてください」
「ここで待ってますので・・・」
物珍しそうに辺りを見ている彼女に声をかけるも、さすがに玄関からは動こうとしなかった。
仕方ないので洗剤を置き、鍵を持って彼女の元へ向かった。
そういえば結局めぼしいイベントが見つからなかったので、見たいものはないか直接聞いてみた。
ため息をこぼされ、至極真っ当な返事と共にボウヤにも聞かれた話をされた。
しかしそれは、無駄な足掻きだと言っているようにも聞こえた。
話を早々に終らせ外に出ようとする彼女の手を取り、強引に扉を閉めた。
「お、沖矢さん・・・?」
「君は・・・
貴女は記憶を戻したいとは思わないんですか?」
速かった鼓動がさらに速まった気がした。
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はく(プロフ) - あ、油が欲しいんですね(笑)笑いました (2021年8月19日 20時) (レス) id: 480d828c8e (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - うおおおおおお!!!更新お疲れ様です!有難う御座います!待ってて良かった(泣)嬉しいです!!! (2021年6月5日 15時) (レス) id: 01548bf821 (このIDを非表示/違反報告)
ふたみや遥(プロフ) - れもんさん» 一番とか言われたああああああああ!!!!ありがとうございます、テンション上がりました。リクエストは随時募集してますのでお気軽にコメントしてください! (2021年6月5日 13時) (レス) id: 3814eb06e2 (このIDを非表示/違反報告)
ふたみや遥(プロフ) - 藍琉さん» 嬉しいいいいいいい!応援もありがとうございます!続きも良ければ楽しんでいってください! (2021年6月5日 13時) (レス) id: 3814eb06e2 (このIDを非表示/違反報告)
ふたみや遥(プロフ) - 紅葉さん» 続きできました!たぶん面白いです! (2021年6月5日 13時) (レス) id: 3814eb06e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふたみや遥 | 作成日時:2018年6月20日 13時