記憶喪失を装えばどうにかなると高を括ってた【名探偵コナン】

緋色い裏側 3 ページ41

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内装見学は意外とすぐに終わった。
その場で契約を交わし、引っ越し作業のため彼女のアパートに向かった。
しかし、部屋は何の準備もしていない状態で放置されていた。


「おかしいですね、今日出ていくのなら準備していると思うのですが･･･」

「･･･急に出ていくって言っても用意してから出かけますよね、普通」


何かが起きて逃げようとしたのか？
一体何から･･･


「四の五の言ってても仕方ないわね。
急いで片付けしましょうか」


佐藤刑事の一言で全員で荷造りに取り掛かる。
テレビ等の配線をまとめている時に、この家にそぐわぬものが目に入った。



──盗聴器だ



彼女が片付けている寝室の方にはぬいぐるみが多数･･･
厄介な奴に好かれたもんだ、と内心ため息をついて 事を伝えるためにキッチンへ向かった。

まだ動いているのか分からないため、スマホに文字を打って会話をする。
千葉刑事がダンボールを持ってきてくれるらしいので、その時に発見器も持ってくるということで対処は決まった。

あとは彼女に伝えるだけだが･･･
なんと伝えれば不安は少ないだろうか･･･

考えているうちに千葉刑事が来てしまったので、簡潔に内容を書き示した。

片付けをしている彼女に声をかけながら紙を見せる。
一瞬 眉をひそめたが、何事も無かったように振る舞ってくれた。
気分転換に音楽を、と頼めば音量を上げつつこちらを伺ってきた。

どこで知識を得たんだか･･･

大丈夫であることを伝え、他に仕掛けられてないか探しだしたが少し遠いか･･･


「コナンくん、音楽聞こえる？」


そう思った矢先の出来事だった。
彼女は自然に振る舞いつつ、スマホを判定しやすい位置に変えたのだ。

記憶を失ってもそんな行動を取れる彼女に興味が湧いた。



出てきた場所を知らされると、さすがにショックを受けたのか顔を青白くさせていた。
大丈夫かと声を掛けようとしたが、外からの声に肩が跳び上がっていた。
そしてボウヤが向かったことに気付いて追いかけていった。

･･･とりあえずは大丈夫そうか

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