記憶喪失を装えばどうにかなると高を括ってた【名探偵コナン】

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「･･･らさん！宮原さん！！」

「っはい！！」

「休憩終わってるわよ。
しんどいなら帰りなさい」

「すみません、大丈夫です。
戻ります」


元々シフトの子が急に休むことになり呼び出された。
無理言って休みもらってるのに言い方悪いな、うん

ホールはバタバタしていた。
申し訳ないことをしてしまった、と反省しながら仕事に取りかかる。


「キミがAちゃん？」

「っえ、ち、違いますが･･･」

「そうなの？
他に宮原って子いる？」

「やす、みです･･･」

「ふーん･･････
あ、注文は────」


ビックリした。
知らない人から下の名前で呼ばれるとは･･･

今日のメンバーに伝えとくか･･･
宮原は2人居て、Aの方は休みってことにしてるって。

本人って知らないってことはストーカーじゃないんだろうけどやっぱ怖いな･･･

やば･･･頭グラグラしてきた･･･
吐きそう･･･

急いで裏に行き事務所に入りしゃがみこむ。
目の前が真っ白になり、前に倒れそうになるのを手をついて支える。
しばらくすると視界は戻ってきた。

お水に少しの塩を入れてからゆっくり飲む。


「宮原さｯ顔真っ青よ！？」

「ちょっと貧血起きて･･･
でももう戻れますので」


先輩は心配そうにしていたがベルが鳴りホールへ戻っていった。
熱気のこもっている厨房へ行きついでに注文品を運ぶことにした。

忙しいんだ、へばってる場合じゃない！大丈夫！

喝を入れ仕事に集中した。
大丈夫、さっきのお客さんはもう居ない。

レジを終えると電話が鳴ったので出ると、聞いた事のある機械じみた声が聞こえた。


『メール見てくれないから電話しちゃった』

「っ･･･！！」


勢いよく電話を切った。

どうして･･･いや、ストーカーしてるんだから知られててもおかしくない･･･

また電話が鳴り、恐る恐る取ると受話器から怒鳴り声が聞こえた。

この人は、最初にメールを送ってきた人とは...違う。
ただの勘だけど･･･怒って人が変わったと錯覚してるだけかもしれないけど･･･

なかなか電話が終わらないのを見かねてか受話器を奪われた。


「うちのスタッフがなにかご迷惑をおかけ...
切れた。持ち場戻れよ」


さっさと厨房に戻って行った久佐野くん。
お店が落ち着いた頃、先輩から電話対応は当分しなくていいとお達しを受けた。

久佐野くんが伝えてくれていたらしい。
お礼を言うとぶっきらぼうに返事されたが、耳が赤くなっていたのを見逃さなかった。

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