普通なライバー 2

・隠してた想いの話 ページ49

累計お気に入り登録者様が1000人を突破いたしました…！本当にありがとうございます( ; ; )記念に番外編を！
※色々捏造・時空歪めまくってます
※お互いライバーではない世界線

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「…はぁ」

今日は19歳の誕生日。
お兄ちゃんや沢山の友達に祝ってもらった。
みんなが帰って行った後の家は凄く静かで、淋しい。

ちょっと買い物、と言いお兄ちゃんは出かけてしまった。本格的に一人なのだ。

寂しくなった時にふと思うのは、あの人のこと。
大学に入ってからお互い離れてしまった、まともに連絡も取れていないあの人のこと。

要は好きな人だ。そう、好きなのだ。

高校生の時はお互い意地っ張りで、言い合いばかりして。周りからはケンカップルだとか、早くくっつけだとか、とにかく揶揄われていた。

そういうのも相まって尚更素直になれず、気持ちを伝えられないまま終わった。
今思えば、そんなの気にせず告白していれば良かった。
連絡を取ることも難しくなってしまったら、為す術が無い。

「会いたいなぁ、」

チャイムが鳴った。お兄ちゃんだろうか。鍵を忘れたのかな。
躊躇なくドアを開ける。

「鍵忘れたの…っえ」

結論から言うとそこに立っていたのはお兄ちゃんではなかった。あの人だ。たった今、私が想いを巡らせていた、あの人。

「と、刀也…？」
「突然すみません」
「あ、ううん。…中入る？」

お言葉に甘えて、と刀也は靴を脱いだ。その間私はずっとぽかん、としていた。さぞ間抜けだろう。
聞きたい事は沢山ある。大学はどうしたの、なんで私の家を。どうして来たの。

「明那くんに家教えてもらいました」
「そうなんだ…」

いつの間に。帰ってきたら問い詰めよう。
それより何故このタイミングで。

「今日誕生日、でしたよね」
「へっ？」

予想外の言葉に思わず声が漏れる。覚えてたのか。それよりこいつ、私の心の中が見えているのか。

「そうだよ。でも、なんで」
「たまたまこっち帰ってきてたんで。そういえば誕生日だったなって」

覚えてくれていたんだ。その事実に心が温かくなる。今の私、顔赤くないかな。

「…プリン買ってきました。食べます？」
「え、いいの！？食べる！」
「はは、相変わらず甘い物に目がないな」
「お前が言うな」

いつもの言い合い。これすらも懐かしく感じる。
お兄ちゃんの分も買ってきてくれていたので、一つ冷蔵庫に入れ、スプーンを二本出す。
お互い向き合って座った。


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