青の懸想2 ページ44
恋人繋ぎのまま1時間。
初っ端からやけに積極的な彼に未だ私の頬は熱いままだ。時々思い出したかのようにギュッと握るカラ松君。離したくないのか離れたくないのか…
そして私達はある有名な美術館に来ていた。
へぇ…なんか意外だなぁ。さっきカラ松君が言ってた"アダルティー"ってこういうことだったのか。
確かに、周りを見回すと穏やかで物静かそうなお客さんが多い。…要するに大人っぽい。
でも美術館なんて来たことなかったから何だか新鮮だ。
チケットを買い中に入ると絵画やら石像やら、とても貴重そうなものが展示してあった。せっかく来たんだし、順番に一つずつ見ていこう。入ってすぐにある展示品に目を向けると、鮮やかな色彩で描かれてる絵画があった。横に書いてある説明を読むと16世紀のものらしい。16世紀って約500年前だよね？そんな昔のものがまだ残ってるなんてすごいなぁ…
いつの間にか展示品に見入り、1時間ほどの時間が過ぎた。
そういえば先程からカラ松は一言も言葉を発しない。…もしかして私と同じように作品に見入ってるのかな？
そう思い彼の方を見た途端、とても静かな館内で思わず声を上げそうになった。
｢………｣
展示品ではなく、私を。
えっ、なに、どういうこと？
もしかして展示品じゃなくてずっと私を見てたの！？いやいやいや、怖すぎでしょ。
『あの、カラ松。これとか、すっごい綺麗な絵だよね？』
ちょっとぎこちない言い方だったけど、これで注意を絵画に向けるだろう。
…そう思ったのがまた失敗だった。
｢…あぁ、そうだな。……綺麗だ。｣
『…っ』
ダメだ、一瞬も私から目線を外さない。
それどころか私を見ながら｢綺麗だ｣なんて言う始末。流石の私も恥ずかしい。
『あのっ、私じゃなくて絵を見よ？せっかく美術館に来たんだし、もったいないよ。』
｢もったいない、か。…すまないハニー、オレにはハニーから目を外すことの方がもったいないと思ってしまうんだ。｣
『〜っ！』
なんなんだ今日のカラ松君は。
いつも変だけど今日はより一層変じゃない？
取り敢えず、取り敢えず落ち着け私。
この妙に甘い空気に耐え兼ねて辺りを見回すと、館内から少し離れた庭のような場所にベンチがあるのを見つけた。
ちょうどいい、少し疲れてきたしあそこで休もう。
ベンチで休もうと誘い、カラ松君の手を引っ張ると妙にニヤついた顔のまま彼は歩き出した。
＝＝＝
ようやく夏休みに入りました
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milk - 本当に面白い！！この作品は完結がもの凄く気になります…！！続き待ってます！！ (2022年8月26日 22時) (
レス) @page47 id: 1d931b58b6 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 続き待ってます (2022年8月18日 17時) (レス) @page47 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
一樺(プロフ) - 続き凄く見たいです…もう更新されないんですかね？？ (2020年11月28日 16時) (レス) id: e734b1c435 (このIDを非表示/違反報告)
星猫(プロフ) - 続き見たい早く気になる (2020年11月14日 16時) (レス) id: 7ce7f2c2ab (このIDを非表示/違反報告)
Nori(プロフ) - なり金さん» 再びコメントありがとうございます(*´ `)小鳥が飛び立ったシーンでしょうか？差し支えなければ教えてください…笑カラ松パートでの課題はカラ松語なんですよね。未だに分からない笑 (2020年6月23日 16時) (レス) id: f050346503 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nori | 作成日時：2020年3月10日 17時
