紫の偏執8※挿絵注意 ページ38
｢おれはいるだけで周りに迷惑かけるような存在なんだよ。…アンタも、もうこんな奴とは関わらない方がいい。｣
『………逆だよ。一松君は、優しすぎる。』
｢は…？｣
『一松君、最近よく出かけてたよね？』
｢……｣
『デート場所を、探してくれてたんじゃない？』
｢…！｣
そう、一松君が外に出る頻度は今日、この日が近づくにつれて増えていた。そして徐々に焦り、不安、苛立ちは強くなっているように思えた。それはなかなか良い場所が見つからなかったからではないか？
極めつけはヒメウツギの花だ。
さっき思い出したことだけど、あの花があるのは赤塚駅周辺の中でも可愛いカフェや雑貨屋さんが建ち並ぶ、カップル向けのエリア。そんな場所を一人で行くには相当勇気がいただろう。ましてや人と接するのが苦手な一松君のことだ、受けたストレスの大きさは私には計り知れない。
それでも彼は私とのデートのために下調べをしてくれていた。
『本当にろくでもない人なら、わざわざ"良いデートにしよう"なんて考えないよね？
私もまだ一松君と会ってそんなに経ってないけど、一松君は優しくて相手を気遣える人だってこと、少しは分かってるつもりだよ。
この間もおそ松にセクハラされて困ってるところを助けてくれたよね。』
｢別にそれはおれが嫌だったか、！……何でもない。｣
『とにかく！一松君は面倒見が良くて優しくて周りを見てて気遣ってくれて、…あと笑顔が好き。』
猫を撫でてる時なんかは穏やかに笑ってる。
…たまに邪悪な笑みもあるけど。邪悪な笑みと言えば、さっきスプーンで舌を抑え込まれた時はびっくりしたなぁ。でもあれはあれでゾクッとした。どんな意味かは言わないけど。
『まだ言おうか？あとは｢も、もういい！｣
…なんだ。
まだもうちょっと語れるんだけどな。
…今日一松君の赤面を見れたのは二回目だ。
｢…もう…分かったから…
…アンタも変わってるよね｣
『それは褒め言葉として受け取っとくね！』
さっきとは違ってすっかり明るい顔になった。
何があってそんな考え方になったのかは知らないけど、これだけは言える。
今、彼にはもっと肯定してくれる人が必要だ。
『……いつか、一松君のことを分かってくれる子が現れたらいいね』
｢………もういるよ、A｣
彼が呟いた言葉は風の音で、私の耳には届かなかった。
＝＝＝
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milk - 本当に面白い！！この作品は完結がもの凄く気になります…！！続き待ってます！！ (2022年8月26日 22時) (
レス) @page47 id: 1d931b58b6 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 続き待ってます (2022年8月18日 17時) (レス) @page47 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
一樺(プロフ) - 続き凄く見たいです…もう更新されないんですかね？？ (2020年11月28日 16時) (レス) id: e734b1c435 (このIDを非表示/違反報告)
星猫(プロフ) - 続き見たい早く気になる (2020年11月14日 16時) (レス) id: 7ce7f2c2ab (このIDを非表示/違反報告)
Nori(プロフ) - なり金さん» 再びコメントありがとうございます(*´ `)小鳥が飛び立ったシーンでしょうか？差し支えなければ教えてください…笑カラ松パートでの課題はカラ松語なんですよね。未だに分からない笑 (2020年6月23日 16時) (レス) id: f050346503 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nori | 作成日時：2020年3月10日 17時
