紫の偏執5 ページ34
最悪だ、声まで裏返っていた。
これはあとで｢最悪、今日ゴミみたいな奴のゴミみたいな反応見ちゃった。｣とかSNSで呟かれるやつだ。
いやいや馬鹿かおれ、こんなクズとは天地の差がある天使みたいな彼女がそんなこと言うはずないだろう。あっても｢童貞って気持ち悪いよね。｣くらいだ。
『……ふふっ、確かにちょっと冷たいもの食べたい気分かも！』
…て、
天使ぃ！！
噛み噛みのセリフに何事もなかったかのように、且つ気まずくならないように了承してくれた！！
思わずガッツポーズしそうになる右手を何とか抑え込む。
『わー！いろいろ種類あるね〜何にしようかな…？』
彼女はショーケースに並んでいる20種類くらいのアイスに目を輝かせている。
…子供っぽいところもあるんだな
『一松君は何にする？』
｢え｣
忘れてた…！そうだ、おれから誘ったんだった
仕返しにあ、あ〜んをしようと思って…
………
『一松君？大丈夫？』
｢え、あ、あぁ、大丈夫。…おれはバニラで｣
ダメだ、頭が真っ白。
取り敢えずありきたりなバニラ頼んじゃったけどまぁいいか。
『一松君、そこで食べよっか』
この店は店内で食べる場所がないらしく、ショコラを頼んだ彼女はアイスを受け取り道の端の方を指差した。
｢………｣
今度こそ噛まずに言うんだ。
おれがいきなりあ〜んって言ったらびっくりするだろう。
きっと彼女も本気では言ったなかったはず。
童貞を揶揄うとどうなるか思い知らせるんだ。
……ヒヒッ、おれもホントクズだなぁ。
ゆっくり口角が上がっていく。
いつの間にか、緊張よりも彼女の困った顔が見たいという気持ちの方が勝っていた。
『…？』
スプーンでアイスを掬い彼女の口元へ近づけると、きょとん、とした顔で首を傾げた。
｢はい、あーーーん｣
『んっ』
そのままスプーンを近づけると彼女は意図を理解したようで、おれはゆっくり口の中へスプーンを入れた。
｢…美味しい？｣
『んん…』
｢そう…じゃあゆっくり味わってね｣
『ひゃの、いひゃまふふん』
｢なに？｣
『ひふーんひょらやいの？』
｢ヒヒッ、もっとハッキリ喋ってくんなきゃ何言ってるか分かんないよ？｣
一度スプーンを口に入れると彼女は気恥かしい顔をしたので舌の上に乗せたままにした。
徐々に彼女の顔は赤くなり、涙目になってきた。こんな顔を見れるのは今しかない。
言い出しっぺは彼女の方だから、という言い訳がおれの暴走を加速させていた。
＝＝
SとMは紙一重
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milk - 本当に面白い！！この作品は完結がもの凄く気になります…！！続き待ってます！！ (2022年8月26日 22時) (
レス) @page47 id: 1d931b58b6 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 続き待ってます (2022年8月18日 17時) (レス) @page47 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
一樺(プロフ) - 続き凄く見たいです…もう更新されないんですかね？？ (2020年11月28日 16時) (レス) id: e734b1c435 (このIDを非表示/違反報告)
星猫(プロフ) - 続き見たい早く気になる (2020年11月14日 16時) (レス) id: 7ce7f2c2ab (このIDを非表示/違反報告)
Nori(プロフ) - なり金さん» 再びコメントありがとうございます(*´ `)小鳥が飛び立ったシーンでしょうか？差し支えなければ教えてください…笑カラ松パートでの課題はカラ松語なんですよね。未だに分からない笑 (2020年6月23日 16時) (レス) id: f050346503 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nori | 作成日時：2020年3月10日 17時
