一日目(1) ページ1
『おはようございます!今日から配属のAAです、よろしくお願いします!』
ここは閉鎖病棟。
精神病患者をケアするためにある病棟だ。
私は今日からここで働くことになっている。ちなみに住み込みだ。
一見ブラックに思えるが医師や看護師などの数が少なく、彼らを助けると思ってどうしてもお願いしたい、と上司に頼まれ今に至る。
ただでさえ頼まれたら断れない性格の私は"給料アップ"という魔法の言葉にとどめを刺されたのだ。
大丈夫、ちょっとやそっとじゃ身体なんて壊れない。残業がなんだ、時間外労働がなんだ、前の職場環境よりはマシだろう。…という浅はかな考えの元ここへ来たのだが、早くも嫌な予感がしていた。
「やっと来たザンスか。ミーはイヤミザンス。」
『イヤミ先生、よろしくお願いします。
……あの、他の先生方は…?』
ここに来る前にも思ったことだが、人がいない。
人の気配が全くないのだ。
普通は入り口や廊下で誰かとすれ違ったりするはず。
しかしここに辿り着くまですれ違った人は0人。
最初はこの病棟じゃなかったかな、と思ったけど何度見直してもここで間違いなかった。
薄暗く窓一つないこの病棟は不気味さをより一層感じさせている。
「チミ、聞いてないザンスか?
他の職員は辞めたザンス。その代わりにチミが来たザンスよ。」
『辞めた…?あの、それにしても
「当たり前ザンス。ここにいるのは患者とミーとチミだけザンスよ。」
『えっ』
ウソでしょ…?
じゃあ職員は私とイヤミ先生だけ?
それで回せるのだろうか…?
思っていたより過酷な職場環境に目の前が真っ暗になるような感覚に陥る。
「…チミも気の毒ザンスがこれも仕方ないことザンス。幸いなことに患者の人数は片手で足りるほどだからチミが思っているよりかはマシザンスよ。……チミが担当する患者の資料はちゃんと渡ってるザンスか?」
『あ…はい。松野さんですよね?多重人格の。』
「ならいいザンス。早速挨拶にでも行ってチョ。あ、チミのデスクはそこザンス。……ミーは忙しいからこれで失礼するザンス。ま、せいぜいがんばってチョーよ。」
そう言い残し、イヤミ先生は明かりの少ない廊下へと消えていった。
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衝動を抑えきれず作ってしまいました。
こちらは息抜きに書いていこうと思ってます。
よろしくお願いします。
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舞香 - ふふっ怖くていいですね…!続き気になります…頑張ってください応援してます…!←生きる気力のないクズからでした… (4月9日 22時) (レス) @page13 id: 30c4979b7d (このIDを非表示/違反報告)
とろろ(プロフ) - なり金さん» ありがとうございます。割と伏線をしきつめてるので、読みながらぼんやり考えていただけたら幸いです。 (2020年5月23日 22時) (レス) id: f050346503 (このIDを非表示/違反報告)
なり金(プロフ) - 怖いけど楽しいですね!! (2020年5月23日 17時) (レス) id: c41c7ba354 (このIDを非表示/違反報告)
とろろ(プロフ) - 永夢さん» ありがとうございます。ドキドキハラハラな感じを目指してるのでそう言っていただけて嬉しいです! (2020年5月14日 14時) (レス) id: f050346503 (このIDを非表示/違反報告)
永夢(プロフ) - ちょっと見るつもりが、続きが気になってきました! (2020年5月13日 1時) (携帯から) (レス) id: 412e09563c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nori | 作成日時:2020年3月31日 16時