三日目(1) ページ11
次の日。
今日もまた松野さんの様子を窺いに病室の前まで来ていた。
まだ三人の人格しか確認できてないけど、今日も違う人格なのだろうか？
この扉を開ける時はいつも緊張するんだよなぁ。でもそれと同時に楽しみでもある。何せ、この閉ざされた病棟で誰かとコミュニケーションを取ることができる、数少ない時間なのだから。
少しの期待と不安を抱えながら、ノックをして扉に手をかける。
『失礼します。松野さん、おはようございます。』
｢あ！やっと会えたね〜！初めまして！ボク、六番目のトド松。よろしくねっ！｣
…どうやらまた新しい人のようだ。
トド松。そう言って彼は上目遣いでウィンクを飛ばしてきた。大きな目にアヒル口、可愛らしい仕草が特徴、か。
第一印象はあざとい、でも話しやすそうな人。
｢Aちゃん、こっち来てボクと一緒に話そ？｣
……あれ、
私名前言ったっけ
｢兄さん達、変なことばっか言ってたでしょー？ごめんね、あんな兄さん達で｣
『兄さん…？』
｢そ、ボクたち皆兄弟なんだ〜｣
兄弟…まさか六人全員が？
そんなこともあるんだ。おそ松さん達は皆他の人格の話をしてなかったから、知らなかった。
いや、正確には聞いてはいけないような空気だったから聞くにも聞けなかった。
でも治療を進めるには少しずつ聞いていかなければならない。…トド松さんなら質問にも答えてくれるだろうか？
ここは勇気をだして聞いてみよう。
『あの、皆さんは記憶が共有されていたりするんですか？』
これは昨日のカラ松さんのことがあってから、ずっと気になっていたことだった。
お願いだから共有してると言ってほしい。
｢……。
うん、多少はね？｣
よかった…！
多少は記憶が共有されてる。つまり、昨日カラ松さんと初めて会った時私に対して驚かなかったのも、トド松さんが私の名前を知っていたのも説明がつく。
…ベットの件はまだ疑問が残るけど。
『にしてもお兄さん達はとても面白い方々ですよね』
｢…そうだね｣
『私も兄が欲しかったです。お兄さん達は｢ねえ｣
…？無感情な声。
ふとトド松さんを見るとさっきまで笑みを浮かべていた顔は無表情に変わっていた。
…いや、正確には何かに苛ついたような、そして何かを抑えているような表情だ。
私は何か良くないことを言ってしまったんだろうか。
兄弟の話？
てっきりトド松さんはおそ松さん達が好きで、彼らの話も喜ぶかと思ったけど違った…？
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舞香 - ふふっ怖くていいですね…！続き気になります…頑張ってください応援してます…！←生きる気力のないクズからでした… (4月9日 22時) (
レス) @page13 id: 30c4979b7d (このIDを非表示/違反報告)
とろろ(プロフ) - なり金さん» ありがとうございます。割と伏線をしきつめてるので、読みながらぼんやり考えていただけたら幸いです。 (2020年5月23日 22時) (レス) id: f050346503 (このIDを非表示/違反報告)
なり金(プロフ) - 怖いけど楽しいですね！！ (2020年5月23日 17時) (レス) id: c41c7ba354 (このIDを非表示/違反報告)
とろろ(プロフ) - 永夢さん» ありがとうございます。ドキドキハラハラな感じを目指してるのでそう言っていただけて嬉しいです！ (2020年5月14日 14時) (レス) id: f050346503 (このIDを非表示/違反報告)
永夢(プロフ) - ちょっと見るつもりが、続きが気になってきました！ (2020年5月13日 1時) (携帯から) (レス) id: 412e09563c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nori | 作成日時：2020年3月31日 16時
