story6 ページ7
「こ...高校生？」
俺は女の言葉で引っかかった部分を口にした。確かに俺は高校に通っている。女の言う通り高校生だ。
だけど、何でこんな女にそれを指摘されなきゃいけねぇんだよ。まさかとは思うけど先ほどの言葉を聞く限り女は...。
『貴方、制服着てるじゃない？花咲学園よね？年下の学生にお金を出させるなんてやめてよ』
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この女、俺より年上だったのかよ...。
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青ざめる俺の顔なんて見ずに女は俺に千円札を突き返して、自分と俺の分も会計を済ます。
俺は女が自分より年上だということに驚きを隠せなかった。
ありえねぇ。ぜってぇ同い年くらいか年下だと思った。
綺麗な顔立ちだけど童顔すぎるだろ、この女。
いや、待て。落ち着け俺。年上と決まっただけでまだこの女が成人しているとは限らない。
高卒で就職して働いている可能性だってある。だから1つ上ってならまだ納得できる。
...って、何を俺は焦ってんだよ。
『会計終わったよ？ほら、出るよ』
女の年上発言に驚き呆然と立つ俺に女は俺の腕を引き店内を後にした。
さっきまで泣いてたヤツは何処の誰だよ！立場が逆転してんじゃねぇか！
「なぁ、聞いていい？」
『ん？なぁに？』
店の外に出て掴んでいた俺の腕を離す女。
低い身長だから俺を見上げる形になる。上目遣いはヤベェだろ...。
「アンタ何歳？」
女にいろいろと持って行かれそうになるのを何とか自分のペースへと戻す。
俺の質問に女は眉をひそめた。
『女性に年齢を聞くなんて失礼な高校生ね』
「アンタ言うほど年食ってねぇだろ」
“イマドキの高校生は生意気だ”と、唇を尖らして愚痴を漏らし出す女。
そういう仕草のせいで余計にガキっぽく見えるんだよ。
年上だなんて認めたくねぇ...。
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作者名：波瑠 | 作成日時：2017年3月20日 23時
