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そう言った女はまた俺に笑みを向けた。
やっぱりこの女、綺麗だ...。
女の笑顔を見ただけで早くなる俺の鼓動。何なんだよ、静まりやがれ。
そう考えていると女はまた口を開いた。
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『ただ最近、彼氏と上手くいってないだけなの。さっきも電話で喧嘩...っていうか私が一方的に怒っちゃった』
“アイスティーありがとう。頂くね。”と女は付け足して言い、俺が注文したアイスティーに口を付けた。
彼氏...?その言葉を聞き何故か俺はモヤモヤとした。
この女、彼氏居たのか。まぁ、これだけ綺麗な顔してたら男の1人や2人いない方が可笑しいか。
長い髪をすくい上げて耳にかけて、アイスティーに口を付ける女のひとつひとつの行動に俺は魅了されていた。
何この女に俺は見惚れてんだよ!
「何で男と上手くいってねぇの?」
女との会話をなり立たすためか、俺の口から出た言葉はこんな言葉だった。
出会ったばかりの女の恋愛を聞いて俺の何になるっていうんだ。これ以上、聞いたって何もならねぇ。
『話聞いてくれるんだ。ありがとう』
「...まぁ、聞いてやるよ」
俺に礼を言い、女は柔らかく微笑んだ。この女、いろんな笑い方するんだな...何て思っていると女は話し出した。
『もう付き合って4年になるのかな...。元からそんなにベタベタしてくるような人ではなかったんたけど最近凄く冷めててね。“会いたい”っていくら言っても会ってくれないの』
そう言って、視線を少し下げた女の表情は何処か寂しげだった。
この女をこんな表情にさせるなんてそれほどこの女は男のことを好きなんだと思った。
...何故かこの女に想われる男のことを俺は羨ましいと思ってしまった。
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作者名:波瑠 | 作成日時:2017年3月20日 23時