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Aとの待ち合わせ場所である喫茶店に着いたのは15時55分と待ち合わせの5分前。
ちと、ギリギリだったかと思い辺りを見渡してみるがAの姿はなかった。
やはり俺が一方的に押し付けただけの約束だったし着てくれねぇか。
まぁ、今日来てくれなかったとしても絶対に探し出してやるけど。
もうしばらく待ってみるか...。
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待ち合わせ時間から30分。
俺は時間潰しのためにスマホゲームをやり込んでいた。
派手な見た目の女共から逆ナンされたが無視だ。
お前らみたいなのに構ってる暇はねぇんだよ。
...チッ。至さんのランク抜けねぇし、Aは来ねぇし今日は最悪の一日なんじゃね?
そんなことを考えながらまたゲームをやり込もうとした時だった。
「...ごめんなさい!」
柔らかいソプラノの声が聞こえ、スマホから目を離し顔を上げる。
すると、俺の目の前には額にうっすら汗をかいて肩で息をするスーツ姿のAが居た。
嘘だろ...。マジで来てくれたのかよ。
「遅くなってごめん......って、何で私が謝ってるんだろう。一方的に約束を押し付けられたのは私なのに」
走って来たのか乱れる呼吸を落ち付けようと必死なA。
スマホの画面にはloseとなっているが、そんなことも気にせずAに見惚れていた。
「マジで来てくれたのかよ...。」
「貴方が来るまで待ってるとか言ったからでしょ!?」
俺の呟きを聞き逃さなかったAは少し声を張って言った。
...確かにそんなこと言ったわ。そう言った方が来てくれそうだったからな。
実際、来てくれたから過去のことなんてどうでもいい。
「待ちくたびれたっつーの。ん、中入るぞ」
「ちょっと!?」
まだ息を整え切れてないAの腕を引いて俺は喫茶店の中へ入った。
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作者名:波瑠 | 作成日時:2017年3月20日 23時