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特に何も予定がない学校の帰り道。
咲也や真澄と寮まで一緒に帰ることはあるが今日は別々。
...ったく、だりぃなぁ。学校の授業中もほとんど寝てたし。
ちょっとは俺に刺激を与えてくれるものがあってもいいのにと考え欠伸をしながら道を歩く。
何処かのゲーセンでも寄って帰るか?今日は至さんの帰りは遅いみたいだったし。
まぁ、帰りが遅くともどうせ至さんのゲームに付き合わされることになるだろうな。
至さんが帰るまでの暇つぶしとしてゲーセン行くか。
...と、行き先を決めた俺はゲーセンがある方向へと方向転換した際にドンっと右肩に衝撃が走った。
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『...ごっ、ごめんなさい!』
高くか細い声を聞き衝撃の正体がすぐに女だということが分かった。
女は下を俯いたまま俺に謝罪の言葉を言った。
「あ、わりぃ...。」
女の謝罪の言葉につられて俺も咄嗟に謝る。
劇団に入りもう喧嘩はしねぇと決めたが男だったら文句の一つくらい言ってやろうと思った。
でもこの女、ずっと俯いたままだしこのままだと俺以外の人間とまたぶつかるぞ...?
『本当にすみません...。私はこれで...。』
「おい、ちょっと待て!」
俺の顔を見ようともせずにぺこりとお辞儀をしてその場を去ろうとした女。
しかし俺は、無意識に女の手首を掴み、女のことを呼び止めていた。
俺に手首をを掴まれたことに驚いたのかずっと俯いたままだった女が顔を上げた。
...そして、俺と女の視線が交わる。それと同時に俺の目は大きく見開き心臓が大きく高鳴った。
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「...何でアンタ泣いてんだよ?」
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作者名:波瑠 | 作成日時:2017年3月20日 23時