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ぽ...とん......
じわじわと地面に広がる涙の跡。
泣かないように我慢してたのに、むりだった。
この夏休みの間の思い出はなんだったの?
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A「...じゃあ......なんで来たんですかっ...」
友達もむりなら一緒に見たいなんてわたしの願いは聞かなきゃよかったのに。
涼介「...そうだな。」
A「えっ!」
帰っちゃうの?ああ、そういう人だった。
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山田くんのそういう行動が山田くんを好きにさせちゃうのを...貴方は気付いてる?
きっと無意識なんだろう。
涼介「花も見れたし帰るわ。」
踵を返す山田くんの靴に音。
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A「...本当にそのためだけに...来たの?」
涼介「当たり前だろ。お前が言わなかったらわざわざ来ねえよ。」
ちょっと違う意味で泣きそうだよ。
笑った山田くんが綺麗すぎる。
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A「私のために来たの?!」
涼介「それ以外に理由がねえだろ。」
A「なんで...」
涼介「はあ?」
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なんの“はぁ?”
呆れたような顔で戻ってくる山田くんが目の前で。
涼介「ウサギがこの前言ったやつ。」
この前?なんだろう。
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必死にぐるぐる頭を回転させる。
何か言ったっけ......
涼介「お前のせいで頭ん中お花畑だわ。」
...バカにされてる?私の頭の中はお花畑だって?
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お花のことしか考えてないって思われてる?
言葉の意図がよくわからない。
A「...どういう、意味ですか......」
少しふくれっ面になってるかもしれない。
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ぷく、と膨れた頰を見て山田くんが笑った気がした。
涼介「なかったことにしやがって...」
A「...なんのこと...?」
金髪が揺れる。
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長い金色が目を隠す。
いつも思うけど勿体無い。
その下の表情を見せればいいのに。
A「山田くん...」
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伸ばした手より先に。
甘い香りと甘い声。
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涼介「好きってことだろ...ウサギが。」
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?(プロフ) - 続編がみたいです! (2021年8月25日 1時) (レス) id: 6c6c29d7b7 (このIDを非表示/違反報告)
伊織 - 何度も泣いて、お母さんに泣いてるということを気づかれないようにトイレに何度も行って泣いています!あすみさんの作品は全部泣きました! (2019年7月29日 14時) (レス) id: 1d8244df18 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 凄く面白かったです!2人のその後も見てみたいで! (2017年12月28日 2時) (レス) id: 91f530093b (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - また、山田くんとのお話見たいです!! (2017年5月7日 1時) (レス) id: 7216942a90 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ぶっきらぼうな態度ににやけました (2017年1月24日 16時) (レス) id: 44e1487778 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あすみ | 作成日時:2016年7月21日 15時