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なんて言ったの?よく聞こえなかった。
きっと私だけがこんなに緊張してて、
私だけがこんなに動揺して、
私だけが......
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ヴー...とマナーモードがポケットの中で振動する。
A「あ...ごめん。電話だ。」
...お母さんからの着信に恐る恐る耳にあてる。
もしもしって小さな声で応答すると、思った通り少し怒り声。
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A「ごめんなさ......でも、お願い。あとちょっとだけ......」
あと少し。せめて花火が終わるまでは......
早く戻って来なさい!ってブチッと切れる。
涼介「親?」
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A「あ、うん...でも大丈夫...」
涼介「そろそろ戻るか。」
ケータイの時刻を確認して立った山田くんがエコバックを持つ。
A「あ!...私持つ...」
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A「ゎ、っ...!」
足場が悪くてよく見えない。
暗いから。なんて理由になんでもできちゃう。
涼介「転ぶなよ。」
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花火の音が近くなる。
いつもの分かれ道まで戻るとクライマックスに差し掛かった。
いつもならベランダから見てたけど。
涼介「ウサギ。」
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涼介「今日言い忘れたけど。」
山田くんの横顔は前髪がかかって目がよく見えない。
どんな表情かなんてのはもってのほかで。
明るすぎる金髪が遮断してるよう。
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涼介「明日から俺行かねえから。」
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A「え?」
涼介「もう要らねえって。智くんがもういいって言ったから。」
元々そういう約束だった。
大野先生が言ったんだ。
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言っちゃったんだ。
夏休みの間だけって条件だったじゃん。
それがちょっと早まっただけ。
最初から私はこんなこと望んでなかったはずなのに。
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A「そっ、...か...」
目頭が熱い。鼻の奥が痛い。
A「山田くん、器用だし色々助かってたのに残念だな...」
私今泣いたら、“泣き虫ウサギ。俺なんかのために涙流すんじゃねえよ”って、山田くんは言うのかな。
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?(プロフ) - 続編がみたいです! (2021年8月25日 1時) (レス) id: 6c6c29d7b7 (このIDを非表示/違反報告)
伊織 - 何度も泣いて、お母さんに泣いてるということを気づかれないようにトイレに何度も行って泣いています!あすみさんの作品は全部泣きました! (2019年7月29日 14時) (レス) id: 1d8244df18 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 凄く面白かったです!2人のその後も見てみたいで! (2017年12月28日 2時) (レス) id: 91f530093b (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - また、山田くんとのお話見たいです!! (2017年5月7日 1時) (レス) id: 7216942a90 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ぶっきらぼうな態度ににやけました (2017年1月24日 16時) (レス) id: 44e1487778 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あすみ | 作成日時:2016年7月21日 15時