金髪ライオンと白うさぎ Ryosuke.Y

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......5分経った。


やっぱり山田くんは来ないんだろうか。


出校日はやっぱり休むのだろうか。


花壇の前で昨日買った柵を広げる。

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山田くんがもしかしたら来るかもしれない、


なんて期待して5分経ってしまった。


5分経って来ないのならきっともう来ない。


どうせなら柵は山田くんがいるときに立てよう。

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レジ袋に元どおりに柵を戻す。


水をいつものようにあげる。


A「.........。」


ひとりだと静か。...ものすごく静か。

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別に山田くんが騒がしいとかは全然ないんだけど。


むしろ山田くんほとんど喋んないし...。


ホースを巻き取って教室に戻る。


一応下駄箱を覗いてみたけど、いるわけない。

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まだ夏休みに入って数週間なのに久々に友達に会う気がする。


教室までの廊下を歩いていると目の前からいつもと変わらない格好の大野先生。


智「あ。...うさ......」


“うさぎちゃん”

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そう言おうとした先生に気づかないふり。


A「おはよう！課題終わった？」


「あ、Aおはよー！」


先生に声をかけられるより前に、横を通り過ぎる。

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ああ...だめだ。振り返ったら負けだ。


でも......


先生を無視したのなんて初めて。


「ぜんぜーん！もう何も手つけてないようなもんだよ！」

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友達の声も耳をすり抜ける。


やっぱり......


A「せんせっ...！」


結局自分に負けてしまう。

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あからさまにしゅん...、と肩を落としてトボトボ歩く後ろ姿に苦しくなる。


追いかけようとしたとき。


「おはようございます大野先生。」


智「香月先生...おはようございます。」

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A「出遅れた...」


あのふたりが一緒にいるところなんて昨日見たじゃん。


担任が来る前に教室に逃げ込んで席に着く。


朝から泣きそうになってどうすんの......

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“アイツなんかのために涙流すんじゃねえよ”


泣いたら山田くんに怒られちゃう。

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「ウサギ...っている？」

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