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この高校にうさちゃんは一匹も飼ってないですが...
A「い、いないです...」
掴まれた腕を早く離してほしい。
怖い。しかない。
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涼介「花壇の前にいるって言ってたけど。」
キョロキョロと見渡してまた私に視線を向ける。
A「な、なんでしょうか...」
スッ...と指先が伸びてくる。
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やばい!殺られる...!!!
ぎゅっと目を閉じたら髪の毛が頰を擽る。
涼介「ガラス...?」
A「え?」
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細かい小さなガラスの破片が山田くんの掌の上に乗っている。
さっきの割れた窓ガラスか。
涼介「危なかったな。」
山田くんの手が髪の毛に触れた。
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涼介「顔に傷...作らなくてよかった。」
熱を帯びる。
一瞬頰に触れた指先から電気が走ったように。
_____......やまだくーん...!
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後ろの方から走る音。
涼介「智くん。ウサギいねえんだけど。」
...智くん?!
智くんってまさか、大野先生のこと?!
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息を切らした大野先生がヘラッと笑って。
智「いるよ〜ほら、そこにいる女の子。ね?うさぎちゃん。」
“うさぎちゃん”
確かに私は大野先生にそう呼ばれてる。
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涼介「なんだ。お前がウサギかよ。」
でも違う。私は。
A「私は、宇佐美です。宇佐美A。」
智「あ〜派手にやったね〜。」
涼介「お願い!他の先生には俺がやったって言わないで!」
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私の自己紹介は耳に通してくれてない。
智「どーしよーかな。」
涼介「まじで次反省文書かされたら3回目なんだよ。」
智「わかったわかった。黙っててあげるから俺の言うこと聞いてよ?」
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智くん、と呼ぶくらいだから親しい仲なのか。
大野先生が山田くんに指図してる。
智「じゃあ、夏休みの間、美化委員の仕事してくれる?」
涼介「......は?」
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智「俺、補習担当だからさ、出られないのよ。
うさぎちゃんひとりなのも可哀想だし。
仲良くふたりで、よろしくね?」
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?(プロフ) - 続編がみたいです! (2021年8月25日 1時) (レス) id: 6c6c29d7b7 (このIDを非表示/違反報告)
伊織 - 何度も泣いて、お母さんに泣いてるということを気づかれないようにトイレに何度も行って泣いています!あすみさんの作品は全部泣きました! (2019年7月29日 14時) (レス) id: 1d8244df18 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 凄く面白かったです!2人のその後も見てみたいで! (2017年12月28日 2時) (レス) id: 91f530093b (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - また、山田くんとのお話見たいです!! (2017年5月7日 1時) (レス) id: 7216942a90 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ぶっきらぼうな態度ににやけました (2017年1月24日 16時) (レス) id: 44e1487778 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あすみ | 作成日時:2016年7月21日 15時