15 ページ15
ヒールの音が3人の視線を集めた。
智「あ、香月先生。」
香月「昨日の領収書、って...大野先生がお持ちですか？」
智「え？ああ...多分。...探しに行くよ。」
・
・
・
・
そう言えば、昨日は香月先生と一緒にいたんだっけ。
たとえ仕事だとわかっていても......
去っていく香月先生とはまるでかけ離れた自分に落胆する。
A「香月先生と......仲良くなられたんですね。」
・
・
・
・
智「うん〜......どうかな。」
“どうかな”そう言いながらもほころぶ顔に泣きそうになってきた。
大野先生が嬉しそうに話すのにあまり耳に入らなくて。
智「そういや香月先生も......」
・
・
・
・
涼介「帰っていい？」
先生の言葉を遮った山田くんに帰られたら私...メンタル多分持たない......
智「あ......うん。」
涼介「帰るわ。」
・
・
・
・
今は行かないで欲しかった......
後ろからいなくなっちゃう山田くんに心の中でそう思っていたら。
A「えっ...？！」
涼介「ウサギも具合悪そうだし。」
・
・
・
・
少々強引に引っ張られた腕。
智「え...ごめん。うさぎちゃん...気づかなかった...」
顔を覗き込んだ大野先生が目赤いねって言うから泣きそうなのが気づかれたかと思った。
智「体調まだよくない？」
・
・
・
・
A「いや、違っ...」
涼介「...じゃーね智くん。」
取られた腕がさりげなく手を握られて。
学校からだいぶ離れた道で山田くんの歩く速度が落ちる。
・
・
・
・
A「山田くん...私、もう元気で...」
涼介「知ってる。」
立ち止まった山田くんか振り向いて。
だったら...なんで......
・
・
・
・
涼介「あそこで泣かれたらアイツが困る。」
A「...泣いて、..っ...」
泣いてないよ、って言っても見透かされてる気がして。
目頭が熱くて今にも泣きそうだった。
・
・
・
・
目尻から落ちた涙が地面に広がる。
...あれ...結局泣いちゃってるじゃん。
涙を掬ってくれた指先にまた溢れ出る。
・
・
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2334人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
?(プロフ) - 続編がみたいです！ (2021年8月25日 1時) (
レス) id: 6c6c29d7b7 (このIDを非表示/違反報告)
伊織 - 何度も泣いて、お母さんに泣いてるということを気づかれないようにトイレに何度も行って泣いています！あすみさんの作品は全部泣きました！ (2019年7月29日 14時) (レス) id: 1d8244df18 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 凄く面白かったです！2人のその後も見てみたいで！ (2017年12月28日 2時) (レス) id: 91f530093b (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - また、山田くんとのお話見たいです！！ (2017年5月7日 1時) (レス) id: 7216942a90 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - ぶっきらぼうな態度ににやけました (2017年1月24日 16時) (レス) id: 44e1487778 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あすみ
| 作成日時：2016年7月21日 15時
