315. 返事 ページ35
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翔くんの言いたいことは理解したけれど、びっくりして声が出ないまま、翔くんが差し出したものを見つめる。
キラキラと輝くそれは、私の大好きなブランドの指輪で･･･
徐々にキラキラがユラユラと揺らめき始める。
･･･はい、って言いたいのに、声が、出ない。
視線を指輪から翔くんに移すと、同じように私をじっと見ている翔くんと目が合った。
「A･･･」
言葉が出ない私の代わりに、翔くんが口を開く。
「返事は今すぐじゃなくても、いいよ？」
そう言ってフッと眉を下げた翔くんは、私が答えないのは、迷ってるからだと思ったみたいで･･･
「付き合い始めて2か月足らずでプロポーズなんて、自分でも正気を疑うよ(笑)でもさ･･･」
私を見つめる瞳は、さっきから変わらず優しくて、心臓のドキドキに合わせて、身体が小刻みに揺れている気がしてくる。
「俺は、もう･･･Aしか考えられないんだ。だから、これはAに預かっててほしい。で･･･」
そう言いながら、指輪の箱の蓋を閉めて、私の手に握らせた翔くんは、
「俺と結婚してもいいよ、って思ったら･･･その時は、これ、着けてみせて？」
ってにっこりと笑って、指輪の箱ごと私の手をぎゅっと握った後で、
「･･･いらないっていうのは･･･考えたくないなあ･･･(苦笑)」
って、困った顔をした。
翔くん、違うの。
迷ってなんか、ない。
だけど、それは･･･言葉にしないと伝わらない。
「翔く、ん･･･」
だから、大きく息を吸って、やっとのことで名前を呼ぶと、ん？って顔で私を見た翔くんに、ゆっくりと言った。
「今･･･はめて？」
私の言葉の意味がよくわからなかったのか、翔くんが、え？って顔をする。
「この指輪･･･今、翔くんにはめてもらいたい･･･」
零れそうな涙を我慢しながら、ゆっくりとそう伝えると、翔くんはハッとした顔で、私をじっと見た。
「え･･･？それ、って･･･」
私の手の中にある指輪の箱の蓋を開けて、今度は私がそれを翔くんに差し出す。
「A･･････マジ、で？」
その言葉にコクリと頷くと、ポロリと零れ落ちた涙が、浴衣の腿の辺りにシミをつくった。
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ゆん*(プロフ) - あきさん» お待ちいただき、ありがとうございます！PCも新しくなったので、どんどん更新していきまーっす♪ (2014年9月25日 21時) (
レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - 莉央さん» ハラハラありがとうございます！第8章もよろしくお願いいたしまーす♪ (2014年9月25日 21時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - えなりんさん» 嬉しいです♪ありがとうございます！続きもどうぞお楽しみくださいね☆ (2014年9月25日 21時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - しずくさん» まとめてお返事☆何度も読み返していただくなんて、とっても嬉しいです♪まだもう少し続きますので、どうぞお楽しみに！ (2014年9月25日 21時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - Aさん» わざわざ登録いただいて、ありがとうございます！嬉しいです♪残りのお話もお楽しみいただけると嬉しいです♪ (2014年9月25日 21時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆん*
| 作成日時：2014年8月12日 23時
