302. お部屋でのんびり ページ22
.
ご飯を食べ終わった私たちは、食後の散歩に出かけることにした。
「浴衣のおまえ、いつにも増してかわいいな。」
「また言ってる(笑)もう･･･それ聞くの、何度目？」
「何度でも言ってやる(笑)だって、本当にかわいいんだもん。」
「わかりました、って。ありがと(笑)」
そう言って、翔くんの腕にきゅっとしがみつくと、フフッと笑った翔くんは、一度来たことがあるからか、旅館の中をどんどんと歩いていく。
とりあえず館内を一周りした私たちは、そのままお庭の散策を始めた。
連休ということもあってか、館内はそこそこ人がいて、すれ違うたびに、みんなが翔くんを見て頬を染めている･･･気がする。
なんで気がする、なのかと言うと、すれ違う人の顔をジッと見てる訳じゃないから。
でも、すれ違った後で、“今の人、超かっこよくない？”とか、そんな声が聞こえてくるから、私の感覚はあながち間違ってもいないと思う。
当の本人は相変わらずそ知らぬフリで、私が何か言いたげな顔で見上げていると、
「なんだよ？そんなかわいい顔で見んなよ(笑)」
とか、
「ん？キスして欲しいの？」
とか、そんな返しばかりしてくる。
そんな中、喫茶室に立ち寄ってコーヒーを飲んだ私たちは、
「で？夜景見に行きたい？」
翔くんにそう聞かれたけれど、
「明日連れてってくれるなら、楽しみに待つことにする！それより、今日はたくさん運転して翔くんも疲れたでしょう？」
いつもとは違う環境でふたりっきりっていうのもいいな、と思った私が、
「だから･･･今日はもう、お部屋でのんびりしよう？」
そう言って微笑むと、
「のんびりするかどうかはともかくとして･･･」
フッと口角を上げて笑った翔くんは、
「部屋に帰るか。」
って、ゆっくりと立ち上がると、私の手を取って、喫茶室を後にした。
.
昨日は、結局、もう一度、ふたりで20分ほど露天風呂に浸かってから眠りに就いた。
そのおかげか、浴衣なんてどこへやら？ってくらいに浴衣を肌蹴させた翔くんの腕の中で、すっきりと目が覚めた。
『ふふっ。かわいい。』
ちょっと口を開けて、幸せそうな顔で寝ている翔くんを見て、幸せな気持ちになる。
そんな気持ちのまま、ゆっくりと目を閉じると、今度は頭を優しく撫でる手の感触で目が覚めた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 886人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆん*(プロフ) - あきさん» お待ちいただき、ありがとうございます！PCも新しくなったので、どんどん更新していきまーっす♪ (2014年9月25日 21時) (
レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - 莉央さん» ハラハラありがとうございます！第8章もよろしくお願いいたしまーす♪ (2014年9月25日 21時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - えなりんさん» 嬉しいです♪ありがとうございます！続きもどうぞお楽しみくださいね☆ (2014年9月25日 21時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - しずくさん» まとめてお返事☆何度も読み返していただくなんて、とっても嬉しいです♪まだもう少し続きますので、どうぞお楽しみに！ (2014年9月25日 21時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - Aさん» わざわざ登録いただいて、ありがとうございます！嬉しいです♪残りのお話もお楽しみいただけると嬉しいです♪ (2014年9月25日 21時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆん*
| 作成日時：2014年8月12日 23時
