295. 心の準備 ページ15
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お母さん？
･･･断った？
「･･･なんで？」
首をかしげてそう聞いた私に、翔くんはちょっと驚いた顔をして立ち止まった。
「あ･･･いや･･･だって、ほら･･･」
なんだか言葉に詰まる翔くんに、ちょっとだけ悲しい気持ちになる。
「･･･私を紹介するのが･･･恥ずかしい？」
あんな別荘を持っているご両親だ。
そんなご両親に紹介するのに、私じゃ全然足りないってことかな･･･
そう思ったら、どんどん悲しくなってきた。
じんわりと視界が滲んできたから、それを隠すようにつながれた手をほどいてくるりと後ろを向く。
すると、
「おい！違うって！そういうんじゃなくてさ･･･」
離れた手をもう一度ぎゅっと握ってきた翔くんは、
「･･･ほら。俺、親に彼女なんて紹介したことないからさ･･･俺自身が照れるっていうか･･･」
私の身体をくるりと反転させて自分のほうに向かせると、
「おまえは俺の自慢の彼女だぞ？(笑)恥ずかしいわけないだろ(苦笑)」
そう言って、私をきゅっと抱きしめる。
それから･･･
「ただ･･･俺の心の準備がさ･･･まだ、追いつかねーの(苦笑)いつかちゃんと紹介するから･･･それまでもう少しだけ、待っててよ。」
頭の上から聞こえてきた声は、なんだか恥ずかしそうな、戸惑ってるような、そんな声で･･･
私のことが恥ずかしいわけじゃないんだ、って分かったら、滲んできた涙も自然と引いていった。
だから、
「うん･･･」
一言そうつぶやいた私は、翔くんの背中に手を回して、そのまま同じようにきゅっと抱きしめ返した。
ゆっくりと腕を緩めた翔くんが、私の顔を覗き込む。
「泣き止んだ？(笑)」
「な、泣いてないもん！」
「うそつけ(笑)」
「･･･じゃあ、泣く。」
そう言った私に、とたんに慌てたそぶりを見せた翔くんがかわいくて、
「うそだよー(笑)」
今度は私が翔くんの手を引いて歩き出す。
そうして、すっかり元通りの雰囲気になって萬翠荘を後にすると、
「次はお絵かきの時間だ！」
また車に戻った私たちは、市内から20分ほどの場所にある、砥部焼の絵付けができる場所へと向かった。
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ゆん*(プロフ) - あきさん» お待ちいただき、ありがとうございます！PCも新しくなったので、どんどん更新していきまーっす♪ (2014年9月25日 21時) (
レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - 莉央さん» ハラハラありがとうございます！第8章もよろしくお願いいたしまーす♪ (2014年9月25日 21時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - えなりんさん» 嬉しいです♪ありがとうございます！続きもどうぞお楽しみくださいね☆ (2014年9月25日 21時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - しずくさん» まとめてお返事☆何度も読み返していただくなんて、とっても嬉しいです♪まだもう少し続きますので、どうぞお楽しみに！ (2014年9月25日 21時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - Aさん» わざわざ登録いただいて、ありがとうございます！嬉しいです♪残りのお話もお楽しみいただけると嬉しいです♪ (2014年9月25日 21時) (レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆん*
| 作成日時：2014年8月12日 23時
