18. デザート ページ18
.
カランというベルの音を聞きながら店内に入ると、
「いらっしゃいませー！あ、櫻井さん、こんばんは！」
ホールにいた女性が、嬉しそうに名前を呼んだ。
「こんばんは。」
「直接いらっしゃるの、めずらしいですね？」
「ああ、今日はテイクアウトじゃなくて、ここで。」
「あら、さらにめずらしい！どうした･･･」
そこまで言った彼女は、部長の後ろにいた私に気が付いたのか、
「･･･あ。デートですか？うふふ。じゃぁ、こちらのお席にどうぞ♪」
そう言って、窓際の席に通してくれた。
席に通されると、メニューを渡してくれた彼女は、
「お決まりの頃、またうかがいますねー。」
と言って、他のお客さんのところへ行ってしまった。
「部長、常連さんですね(笑)」
「あー･･･持ち帰りのな(苦笑)」
「まだ、あの焼肉やさん以外で、一人で外食出来ないんですか？」
「できない。」
「なんで(笑)ここのお店の人とも仲良よさそうじゃないですか。」
「･･･そういうんじゃねえの。あの焼肉やは･･･」
「焼肉やは･･･？」
「おまえと行って楽しかったから、なんつーか一人でも淋しくないっつーか･･･」
そう言って鼻の頭を掻いた部長は、
「恥ずかしいこと言わせんなよ(苦笑)」
って言って、メニューで顔を隠してしまった。
そんな部長がかわいくてキュンとする。
その言葉に、じわじわと恥ずかしさがこみ上げて来た私が、
「じ、じゃぁ、ここも今度から一人で来れますね！」
照れ隠しにそう言って、同じようにメニューで顔を覆うと、
「おまえと来るから、一人じゃ来ねえよ。」
メニューの向こう側からそんな声が聞こえてきて、
そのおかげで、私は全然メニューに集中することが出来なかった。
「お決まりになりましたか？」
結局決められなかった私は、部長のお勧めを頼むことにして、
ピザを2枚とサラダとビールを注文すると、
「今日は月曜日なので、女性のお客様にデザートをサービスさせていただいてるんです。一つお選びください♪」
そう言って、メニューのデザートページを私に見せてくれた。
ティラミス、パンナコッタ、ジェラートの盛り合わせ･･･迷う。
チラリと部長を見ると、ん？って顔で微笑むから、その笑顔にドキドキして、またメニューに集中できなくなる。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 990人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆん*(プロフ) - ゆりんさん» コメントありがとうございます！ドキドキありがとうございます♪これからも楽しんでいただけると嬉しいです☆ (2014年12月7日 17時) (
レス) id: ef176538c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりん(プロフ) - いつもドキドキしながら読んでます！！もう翔さんヤバすぎます！！ (2014年12月7日 16時) (レス) id: 850376e816 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - ドキドキが止まりません！ (2014年6月6日 18時) (レス) id: 84be6edf25 (このIDを非表示/違反報告)
優里(プロフ) - ゆん*さん» 1章終わりましたねぇ〜…(*´艸｀) 翔さんやばいですよ、ほんとに!ちらっと次の章見てきましたが…あわわわわわ(゜Д゜；≡；゜Д゜)心を鍛えておきます(笑) では、移行後に失礼しました! (2014年5月20日 18時) (携帯から) (レス) id: 24dd3bbca5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん*(プロフ) - ayuさん» 一気読みありがとうございます！！嬉しいです♪いいでしょ〜？部長、いいですよね〜って、自画自賛してすいません（笑）私の妄想で喜んでいただけて、とっても嬉しいです！これからも色気全開でお届けしたいと思います！ (2014年5月18日 19時) (レス) id: 6cd285a405 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆん*
| 作成日時：2014年4月30日 22時
