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三十六章 立原君と1 ページ38

訓練場に行くと、銃声が鳴り響いていた。

やってるなァ……。

思わず微笑んでしまう。

的に目掛けて銃を撃っている人物に手を振る。

「やァたっちー!練習は如何?」

「あ、姐さん。」

私が声を掛けると、人物――立原君は銃を降ろした。

其のまま私の元へ駆け寄ってくる。

可愛らしくて、内心悶えてしまった。

「底々っす。でも、ほら……。」

立原君は的の方へ狙いを定めると、引き金を二回引いた。

一発は頭へ、二発目は的の心臓あたりへ着弾する。

其の様子を見届けた後、立原君は得意気な顔で私を見た。

あまりの可愛さに抱きしめて頭を撫でたくなるがそうもいかない。

今は訓練中なのだ。

「狙いが正確になったね。」

「うん!」

笑顔になる立原君、嬉しいのだろう。

可愛すぎてヤバイ。

心の中でもう一度悶えながら、立原君から視線を外す。

「でも、一発目を撃ってから二発目を撃つまでの時間が長すぎる。」

的を見ながら心を鬼にして云う。

チラリと立原君を見ると、ショボンとしていた。

御免ね。

もっと優しい言葉を掛けられなくて、もっと上手に教えてあげられなくて、御免ね。

「撃つなら……。」

私は立原君から銃を借りる。

そして、撃った。

残っている弾、全弾。

三十七章 立原君と2→←三十五章 報告書



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味の素 - 天才ですね、分かります (2018年11月22日 16時) (レス) id: dc2caa7110 (このIDを非表示/違反報告)
永魔堂(プロフ) - 黒崎メアさん» リクエスト有難うございます!少し書くのに時間がかかってしまうかもしれませんが、リクエスト、確かに承りました! (2018年11月7日 15時) (レス) id: cddf6c3e9e (このIDを非表示/違反報告)
黒崎メア(プロフ) - 恋愛系でも良いのなら、何時もと違うドSな太宰さんに壁ドンされ、顔を赤くする弥生が見たいです。 (2018年11月4日 18時) (レス) id: 970964fd31 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:永魔堂 | 作成日時:2018年10月29日 18時

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