綺麗とメイドと道案内 ページ46
『わぁ…凄く綺麗です』
玄関を入ってすぐのホールは、たくさんのシャンデリアや燭台で飾られていて、本当にここは廃墟なのか?と思う程の豪華さと美しさでした。
「すごいな。埃の一つも見えないよ」
木舌さんも、辺りを見渡して驚いたような表情をしています。
「当然ですわ。この屋敷は、廃墟となった後にも、奥様が努力してお綺麗になさっているのですから」
突然前の扉が開き、メイド服を着た女性が出てきました。丈の長い、本格的なお仕事用のメイド服ですね。素敵です。
「その出で立ちから察しますと、あなた方は獄卒の様ですわね。奥様が奥でお待ちです。どうぞ、お入りくださいませ」
「…いいのか?俺達を通して」
獄卒だと分かっているのに、何故か私達を歓迎しているかのような彼女の態度を不審に思ったのか、谷裂さんが問いかけました。
「この屋敷に訪れる方はそう多くはありません。奥様は誰かが来てくださったというだけで喜んでおり、是非とも、会ってお話ししておきたいと仰っておりました」
「そうか」
今の所、彼方は此方に危害を加える気は無いようですね。
暴れているというのは、誤情報だったのでしょうか?
『とりあえず、行ってみましょうか』
「だね。どっちにしろ、そいつは捕まえなきゃだし」
私達は、メイドさんに続いて奥へと進んで行きました。
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「気をつけてね〜。もしかしたら、急な攻撃が来るかもしれないからさ」
『は、はい』
結構な広さのこの屋敷は、目的の部屋に着くまでも、それなりに歩いて行かないといけないようです。
怖いくらいに綺麗な廊下を歩いていると、木舌さんに注意するように言われました。
そうですよね。ここは亡者の住処なのですから、油断は禁物です。
「大丈夫ですわ。奥様は、奇襲をかけるような、汚い真似は致しません」
メイドさんはそう言っていますが、信じるわけにはいかないので、私は外套のポケットの中のナイフに手を添えつつ歩いて行きました。
「さぁ、着きましたわ」
ここに着くまでに見たどの扉よりも豪華な装飾が施された扉は、如何にも主人の部屋という感じの雰囲気をかもし出していました。
『…行きますよ』
「うん」
「ああ」
私達は、重たい扉を引き、その中へと足を踏み入れました。
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鈴 - マシュさん» コメントありがとうございます。佐疫くんファンがここにも…! hit数の節目に更新するので、どんどん読んで頂ければ、更新速度が上がりますよ。(催促) (2015年4月5日 13時) (レス) id: 6ac78f6ee2 (このIDを非表示/違反報告)
マシュ(プロフ) - とても面白かったです!私も佐疫さん好きなんですよ!更新お待ちしております♪ (2015年4月5日 12時) (レス) id: bfb0e46d45 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - charlotteさん» わぁ、本当ですね。興奮しながら打ってたんです…ご指摘ありがとうございます。直しておきますね。 (2015年4月4日 9時) (レス) id: 6ac78f6ee2 (このIDを非表示/違反報告)
charlotte(プロフ) - 照明が証明になってますよー (2015年4月4日 6時) (レス) id: 563efb1be8 (このIDを非表示/違反報告)
薔薇イローズ(プロフ) - 鈴さん» ええっと、ま、まずそれを見てほしいっす! (2015年4月3日 21時) (レス) id: cf514ca94f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴 | 作成日時:2015年3月30日 21時