佐疫の謝罪と罰と仕返し ページ43
そして、朝です。
私は、今日は仕事だと分かっているので、さっさと支度をして部屋を出ました。
廊下を歩いていると、階段の手摺の前に、佐疫さんが立っているのが見えました。
…朝の佐疫さんとの遭遇率高くないですか？
『佐疫さん、おはようございます』
「あ、おはようA」
私に気づいた彼は、ニコッと笑って手を振ってくれました。
一晩で酔いは覚めたようで、爽やかな笑顔です。
『元気そうですね、よかったです。 こんな所で何をしているんですか？』
「もともと二日酔いにはならない体質だからね。 Aを待ってたんだ」
『私をですか？』
「そうだよ。…昨日のこと、謝っておきたくて」
そう言って、眉を下げて困ったように笑む佐疫さん。
「俺、昨日凄い酔ってたんだけど、それでも所々記憶に残っててね。その記憶が正しければ、俺、Aにしつこく絡んでたみたいだったから…ごめんね、迷惑かけて」
本当に申し訳なさそうに、目を伏せて謝ってきました。そんなに気に病むことないのですが…。
実際は半分喜んでいた身なので、お礼を言いたい位です。言ったら、変な目で見られそうなので言いませんが。
『大丈夫ですよ。気にしてませんから』
別の意味で気にしてはいますけど。
『酔った勢いだったんですから、佐疫さんに非はありませんし』
「そう？そう言ってもらえるとありがたいよ」
私が微笑むと、パッと明るい顔になる佐疫さん。
彼は、気持ちが顔に出るので分かりやすいですね。
「にしても、木舌も酷いよね。俺がお酒弱いの知ってて飲ませるなんて」
自分がああなった原因を思い出したのか、佐疫さんが、腰に手を当てながら頬を膨らませて怒ってますよ。…可愛い。
『そうですね。彼には反省してもらわないといけませんね』
「だよね。少し罰を与えようか。…何がいいかなぁ？」
数秒考えると、良さげな案が思いつきました。
『あ、お酒一週間禁止令とかどうですか？大好物を奪われれば、彼も反省するでしょう』
「いいね。それにしようか」
『では司令室に行った時に、肋角さんに頼んでおきますね。上司に言われれば、従うしかないですから』
「うん。頼んだよ」
二人で顔を見合わせて、ニヤリと笑います。
昨日の仕返しです。覚悟していてくださいね、木舌さん。
・
・
・
その頃の木舌
ｿﾞｸｯ
「あれ？何か寒気が…風邪かなぁ？参ったなぁ」
彼は、これから起こる自分の不幸も知らずに、呑気に笑っていました。
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鈴 - マシュさん» コメントありがとうございます。佐疫くんファンがここにも…！ hit数の節目に更新するので、どんどん読んで頂ければ、更新速度が上がりますよ。(催促) (2015年4月5日 13時) (
レス) id: 6ac78f6ee2 (このIDを非表示/違反報告)
マシュ(プロフ) - とても面白かったです!私も佐疫さん好きなんですよ!更新お待ちしております♪ (2015年4月5日 12時) (レス) id: bfb0e46d45 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - charlotteさん» わぁ、本当ですね。興奮しながら打ってたんです…ご指摘ありがとうございます。直しておきますね。 (2015年4月4日 9時) (レス) id: 6ac78f6ee2 (このIDを非表示/違反報告)
charlotte(プロフ) - 照明が証明になってますよー (2015年4月4日 6時) (レス) id: 563efb1be8 (このIDを非表示/違反報告)
薔薇イローズ(プロフ) - 鈴さん» ええっと、ま、まずそれを見てほしいっす！ (2015年4月3日 21時) (レス) id: cf514ca94f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴 | 作成日時：2015年3月30日 21時
