眠りと否定と恋心 ページ42
…あと少しで唇が触れ合うという手前で、突然佐疫さんが崩れ落ちました。
我に返った私は、動揺しつつ彼を確認します。
「ｽｰ…ｽｰ…」
『ね、寝てます…』
酔いによる眠気のせいか、眠ってしまった佐疫さん。なんだったんですか…。
ふと周りを見ると、残念そうな顔の皆さんと目が合いました。
さっきまでの自分がずっと見られていたと自覚すると、恥ずかしさが込み上げてきまして…。
焦った私は、佐疫さんを椅子に預けて、自室に逃げ帰りました。
・
・
・
[自室]
『…嫌じゃありませんでした』
帰った後、私は不思議な気持ちになっていました。
恋人でもない男性にあんなことされたら、嫌なはずなのに、佐疫さんが相手だとそう思いませんでした。
寧ろ、期待していたような…？
『…ありえませんよね』
私達は出会って一週間も経っていないんですよ。そんな人に期待するだなんて…。
…ですが、佐疫さんにはよくしていただきましたし、そういう気持ちを抱くのも仕方ないのでしょうか…。
『…考えるのは止めましょう』
私が惚れても、きっと迷惑なだけですから。
私は自分に、この気持ちは恋じゃないと言い聞かせました。
『そうです。私は恋なんてしていません』
私が一人で納得した時…
「ほんとにそれでいいの？」
部屋の入り口から声をかけられました。考え込んでいたので、人がいることに気づきませんでした。
誰かと確認すると…木舌さんでした。
『な、何故ここに？』
「いや、さっき相当焦ってたみたいだからさ。大丈夫かな〜と見に来てみたんだけど…重症だね」
重症？私の何がそこまで深刻なのでしょうか？
『何のことですか？』
「…Aちゃんは、自分に自信を持ってなさすぎると思うんだ」
私の問いには答えずに、木舌さんはそう返してきました。
自信…？
よく分からないまま彼を見ると、そのまま語りだしました。
「Aちゃんはもっと自信を持っていいんだよ。美人だし、性格もいいし。みんな、Aちゃんのこと大好きなんだ。勿論、おれも」
『そ、そうなんですか？』
「うんうん。だから、Aちゃんは自信を持って、佐疫のこと好きになっちゃいなよ〜」
『え！？』
何故バレてるんですか。という目で見ると、彼はウインクを返してきました。意味分かりません。
「応援してるからね」
そう言って、私の頭を軽く撫でて出ていった木舌さん。
…佐疫さんに恋…
好きになっても、いいのでしょうか？
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鈴 - マシュさん» コメントありがとうございます。佐疫くんファンがここにも…！ hit数の節目に更新するので、どんどん読んで頂ければ、更新速度が上がりますよ。(催促) (2015年4月5日 13時) (
レス) id: 6ac78f6ee2 (このIDを非表示/違反報告)
マシュ(プロフ) - とても面白かったです!私も佐疫さん好きなんですよ!更新お待ちしております♪ (2015年4月5日 12時) (レス) id: bfb0e46d45 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - charlotteさん» わぁ、本当ですね。興奮しながら打ってたんです…ご指摘ありがとうございます。直しておきますね。 (2015年4月4日 9時) (レス) id: 6ac78f6ee2 (このIDを非表示/違反報告)
charlotte(プロフ) - 照明が証明になってますよー (2015年4月4日 6時) (レス) id: 563efb1be8 (このIDを非表示/違反報告)
薔薇イローズ(プロフ) - 鈴さん» ええっと、ま、まずそれを見てほしいっす！ (2015年4月3日 21時) (レス) id: cf514ca94f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴 | 作成日時：2015年3月30日 21時
