佐疫と呑気な木舌と酔った勢い ページ41
…この佐疫さんどうしたらいいのでしょうか。
彼、どんどん大胆になってきてませんか?言葉だけじゃなく、行動まで起こし始めましたよ。
『佐疫さん、離してください』
「え?どうして?A、俺に触れられるの嫌…?」
そう言って、悲しそうに表情を暗くする佐疫さん。
『あ、いや、というわけじゃ…』
「じゃあ、いいでしょ?」
よくないですよ。
なんだか、彼、様子がおかしい気がするのですが…。
ふと気になったので、彼に鼻を近づけると…お酒の匂い?
まさかと思い、木舌さんの方を見ると、
「!」
目を逸らされました。
『…もしかして』
私が立ち上がり、木舌さんに近づいていくと、彼も少しずつ下がって行きます。
疑惑が確信に変わりました。
『木舌さん、佐疫さんにお酒飲ませましたね?』
「あはは、バレた?」
そう言って、へらっと笑う彼。こんな時でも飄々と…。
『なぜ、そんなことを?』
「いや〜、佐疫があまりにもしつこいから…。佐疫、お酒弱い方だから、飲ませたら何とかなると思って無理矢理飲ませちゃった」
こ、この人は…!
溢れる怒りを押さえ、この状態はどうすれば治るのか尋ねます。
「ん〜…寝かせときゃ治るでしょ」
返ってきたのは呑気な答えでした。
…その方法を聞いているのですが。
そんなやり取りをしている間も、佐疫さんは私にひっついていたのですが、突然口を開きました。
「A、木舌とばっか話してないで、俺にもかまってよ」
そう言って、先ほどよりも強く抱きしめてくる佐疫さん。正直苦しいです。
『佐疫さん、苦しいです。やっぱり離してください』
「やだ。絶対離さない」
何ですかこの駄々っ子は。可愛いですが、場所が場所なので恥ずかしいです。平腹さんとか、興味津々という顔で見ていますよ。見てないで助けてください。
「顔赤いよ、照れてる?可愛いな」
可愛いを連呼しながら頭を撫でてくる佐疫さん。この人どうにかしてください…。
自分ではどうすることもできず、されるがままになっていると、ふと、佐疫さんの顔が真剣な表情になりました。
そして、私の肩を掴んで自分の方に向かせると、
「A、俺、Aのこと…」
と言いながら、顔を近づけてきます。
いや、待ってください。近いです。何ですかこれ。急展開すぎませんか。
危険だと思って逃げたいのに、肩を掴む力が強くて逃げられません。
徐々に狭まる距離に、鼓動が速くなっていきます。
私は、覚悟を決めて目を閉じました。
48人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鈴 - マシュさん» コメントありがとうございます。佐疫くんファンがここにも…! hit数の節目に更新するので、どんどん読んで頂ければ、更新速度が上がりますよ。(催促) (2015年4月5日 13時) (レス) id: 6ac78f6ee2 (このIDを非表示/違反報告)
マシュ(プロフ) - とても面白かったです!私も佐疫さん好きなんですよ!更新お待ちしております♪ (2015年4月5日 12時) (レス) id: bfb0e46d45 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - charlotteさん» わぁ、本当ですね。興奮しながら打ってたんです…ご指摘ありがとうございます。直しておきますね。 (2015年4月4日 9時) (レス) id: 6ac78f6ee2 (このIDを非表示/違反報告)
charlotte(プロフ) - 照明が証明になってますよー (2015年4月4日 6時) (レス) id: 563efb1be8 (このIDを非表示/違反報告)
薔薇イローズ(プロフ) - 鈴さん» ええっと、ま、まずそれを見てほしいっす! (2015年4月3日 21時) (レス) id: cf514ca94f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鈴 | 作成日時:2015年3月30日 21時