斬島と体型と背後 ページ40
そういえば…と、私は辺りを見渡しました。
斬島さんの声がしません。どこにいるのでしょうか。
そう思い、探していると…。
「何か探しているのか?」
『!?』
背後から斬島さんの声がしました。
吃驚して、バッと振り返ると、斬島さんが少し目を見開いて立っていました。こちらも驚かせてしまったようです。
『あ、いえ…斬島さんを探していました。声がしないなと思ったので。後ろにいたんですね』
「ああ。お前と少し話したくてな」
そう言って、私の隣に座る彼。
「…首は、大丈夫か?」
心配そうに、私の首もとを見る斬島さん。まだ気にしていたんですね。
『はい、すっかり元通りですよ。痕もなくなりましたし、ちゃんと動きます』
「そうか」
私が大丈夫だと伝えると、彼は安心した顔になりました。
私も獄卒なんですから、そんなに気にしなくてもいいのですが…。
彼は、優しい方ですね。こうして心配してくれている姿を見ると、そう思えます。
『優しいんですね、斬島さん』
「そうか?」
『はい』
私が笑うと、斬島さんも少し照れた様に頬を緩めました。
あ、今の彼の笑顔でしょうか?レアですね。可愛い。
私が心の中で喜んでいると、斬島さんが「そういえば」と口を開きました。
「お前、細いな。帰ってくる時に運んでいて思った」
『そうでしょうか?…普通だと思いますが』
確かに、太っているとは思いませんが、痩せているとも思えません。と言うか、斬島さんの方が痩せてませんか…?
「いや、細い。もう少し肉を付けた方がいいぞ」
そう言われましても…私も女子ですから、太れと言われると抵抗があるわけでして…。
まあ、彼は、獄卒としての体型的なことで言っているんでしょうね…。
でも、言われたし、少しは体重を増やしてみましょうか?
そんなことを考えていると、
「俺は、今のAがいいけどね」
『!』
いつの間にか、佐疫さんが私の背後に立っていました。背後に立つの、流行ってるんですか?
「Aくらい細いと、俺の腕に収まるし」
そう言って、佐疫さんが私の身体に腕を回してきました。…えっ。
今の状態は、佐疫さんに抱きつかれているというわけで…。
『佐疫さん?』
私が焦っていても、彼はどうかした?という顔で笑っています。
何ですかこれ…。
そんな私達を、斬島さんはジッと見ていましたが、
「佐疫が良いなら、そのままでいいか」
と言って、どこかに歩いて行きました。この状況にはつっこまないんですね。
48人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鈴 - マシュさん» コメントありがとうございます。佐疫くんファンがここにも…! hit数の節目に更新するので、どんどん読んで頂ければ、更新速度が上がりますよ。(催促) (2015年4月5日 13時) (レス) id: 6ac78f6ee2 (このIDを非表示/違反報告)
マシュ(プロフ) - とても面白かったです!私も佐疫さん好きなんですよ!更新お待ちしております♪ (2015年4月5日 12時) (レス) id: bfb0e46d45 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - charlotteさん» わぁ、本当ですね。興奮しながら打ってたんです…ご指摘ありがとうございます。直しておきますね。 (2015年4月4日 9時) (レス) id: 6ac78f6ee2 (このIDを非表示/違反報告)
charlotte(プロフ) - 照明が証明になってますよー (2015年4月4日 6時) (レス) id: 563efb1be8 (このIDを非表示/違反報告)
薔薇イローズ(プロフ) - 鈴さん» ええっと、ま、まずそれを見てほしいっす! (2015年4月3日 21時) (レス) id: cf514ca94f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鈴 | 作成日時:2015年3月30日 21時