母と自分と忌み子 ページ29
その後は、館に着いた時が夜だったので、晩ご飯を食べて、部屋に戻りました。
食事中もいろいろありましたが、纏める程のことではなかったので、省略します。文句は受け付けませんよ。
『親…ですか』
私は、今日の亡者の言葉を思い返していました。
(親は、子供を助ける為に努力すべきでしょ?)
私の親は、私を助けようとしてくれていたのでしょうか。
忌み子として産まれて、その先に待っているのは、虐げられるのみの私の運命。その中で、その運命に少しでも抗ってくれたのでしょうか。
『…深く考えるのはやめましょう』
考えても、記憶のない私にそんなこと分かる筈もなく、私はシャワーを浴びて、眠りにつきました。
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・
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目を開けると、私は病院の一室にいました。
あれ?どうして私はここにいるのでしょうか…。
少し考えて、これは夢だと理解しました。
そんな事を考えながら、辺りに目を向けると、私は、目の前のベッドに女の人が寝ているのを見つけました。
『この人は…誰でしょうか?』
その人は、綺麗な顔立ちで…けれども、その表情は、悔しそうな、悲しそうな…そんな風に歪んでいます。
その人をじっと見ていると、病室の扉が開きました。
その音で、女の人は目を開きます。
「ーーさん、やはりこの子は…」
「そう…やっぱり、こうなっちゃったか」
お医者さんと思われる格好をした男性が、小さな子供を抱えて入ってきました。
その子供を見て、女の人は、より一層悲しそうな顔をしました。
私が、お医者さんが抱えている子供を見ると、その子供は銀髪で、少し開いた目は桜色をしています。
…もしかして。
『あれは…私?』
じゃあ、この女の人は…
『お母さん…?』
私の呟いた声は、あちらには聞こえていなきようで、話は続けられます。
「仕方ないよね。あの男の血を引いているんだもの。…見た目が私に近かったら、救えると思ったけど…駄目だったか…」
「じゃあ、ーーさん、この子は…」
「ええ…」
あの男…お父さんのことでしょうか?
お医者さんもお母さんも、辛そうな顔をしています。
「ごめんね、××。本当は、こんなことになって欲しくなかったんだけど…」
お母さんは、暫く黙ってから、意を決したようにお医者さんを見ると、口を開きました。
「その子を…【忌み子】を、処分してください」
・・・嘘ですよね、お母さん?
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『っ!?』
その言葉を聞いて、私は目を覚ましました。
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鈴 - マシュさん» コメントありがとうございます。佐疫くんファンがここにも…! hit数の節目に更新するので、どんどん読んで頂ければ、更新速度が上がりますよ。(催促) (2015年4月5日 13時) (レス) id: 6ac78f6ee2 (このIDを非表示/違反報告)
マシュ(プロフ) - とても面白かったです!私も佐疫さん好きなんですよ!更新お待ちしております♪ (2015年4月5日 12時) (レス) id: bfb0e46d45 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - charlotteさん» わぁ、本当ですね。興奮しながら打ってたんです…ご指摘ありがとうございます。直しておきますね。 (2015年4月4日 9時) (レス) id: 6ac78f6ee2 (このIDを非表示/違反報告)
charlotte(プロフ) - 照明が証明になってますよー (2015年4月4日 6時) (レス) id: 563efb1be8 (このIDを非表示/違反報告)
薔薇イローズ(プロフ) - 鈴さん» ええっと、ま、まずそれを見てほしいっす! (2015年4月3日 21時) (レス) id: cf514ca94f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴 | 作成日時:2015年3月30日 21時