田噛と平腹と初仕事・2 ページ25
道中には特に何も起こらず、平腹さんが騒いで田噛さんが怒るという、普通の流れでした。えぇ、普通ですよ。
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さぁ、今私達の目の前には、人気がなく、廃れた様子の病院が建っています。なかなかに雰囲気がでていますよ。怖すぎです。
『こ、これは、入るのに勇気がいりますね…』
「あ?こんなの、どうってことねーだろ。さっさと行くぞ」
「オレいっちばーん!」
震える私とは対照的に、彼等は何も気にせずにスタスタと入って行きます。
貴方達は慣れているでしょうけど、私は初めてなんですよ…。
しかし、置いていかれるのも怖いだけなので、追いかけます。
『わぁ…中も凄いことに…』
「きったねー!」
壁の塗装は所々剥がれかけており、中の木材が見えています。
あ、今あそこ、何か小さい物通りましたよ…鼠ですかね。怖いです。
「じゃ、俺はここで休んでるから、お前等は亡者探してこい」
『え?』
田噛さんは、壁際まで行くと、そう言って座り込みました。
「おう!へへっ、亡者はどこかなー!」
『え?』
そんな田噛さんを気にする様子もなく、平腹さんは何処かに走って行きました。
いや、ちょっと待ってくださいよ。
『ちょ、田噛さんは働かないんですか』
「だるい」
『えぇー…』
仕事場でも、「だるい」が出るとは…私は、彼を侮っていました。
「おら、テメェもさっさと行ってこい。んで、何かあったら叫べ。そしたら、平腹か、気が向いたら俺が行ってやるから」
一応来てはくださるらしいですが、気が向いたらって何ですか…。
彼に何を言っても無駄な気がしたので、仕方なく私は、一人で行動することになりました。
『絶対に来てくださいよ?』
「気が向いたらな」
『・・・行ってきます』
私は、小さくため息を吐いて、病院の奥へと足を進めて行きました。
…あぁ、嫌な予感がします。
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鈴 - マシュさん» コメントありがとうございます。佐疫くんファンがここにも…! hit数の節目に更新するので、どんどん読んで頂ければ、更新速度が上がりますよ。(催促) (2015年4月5日 13時) (レス) id: 6ac78f6ee2 (このIDを非表示/違反報告)
マシュ(プロフ) - とても面白かったです!私も佐疫さん好きなんですよ!更新お待ちしております♪ (2015年4月5日 12時) (レス) id: bfb0e46d45 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - charlotteさん» わぁ、本当ですね。興奮しながら打ってたんです…ご指摘ありがとうございます。直しておきますね。 (2015年4月4日 9時) (レス) id: 6ac78f6ee2 (このIDを非表示/違反報告)
charlotte(プロフ) - 照明が証明になってますよー (2015年4月4日 6時) (レス) id: 563efb1be8 (このIDを非表示/違反報告)
薔薇イローズ(プロフ) - 鈴さん» ええっと、ま、まずそれを見てほしいっす! (2015年4月3日 21時) (レス) id: cf514ca94f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴 | 作成日時:2015年3月30日 21時