外套と佐疫と高鳴る鼓動 ページ19
『それで、佐疫さんは何か御用があってきたんでしょうか？』
すっかり落ち着いた私は、いつものペースで彼に尋ねます。
「あ、そうそう！Aの武器ってナイフに決まったでしょ？それだと、その制服のままじゃ持ちにくいだろうから…ほら、コレ」
そう言って佐疫さんが取り出したのは、彼が着ているのと同じ外套でした。
「ほら、見てここ」
『あ、凄い。便利そうですね』
彼が見せたのは、外套の内側でした。そこには、ズラッと小さなポケットが並んでいました。
「ここに、ナイフ入れておいたら、取り出しやすいでしょ？部屋に戻った後にふと思い付いたから、作ったんだ」
彼は、料理だけじゃなく裁縫までできるんですか…女子力が高すぎます。
『ありがとうございます。助かります』
佐疫さんの手から外套を受け取り、着てみました。あ、サイズピッタリです。
「ふふっ、俺とおそろいだね」
ニコッと天使の笑顔を見せる佐疫さん。だから、どうして照れるようなことをサラッと言うんですか貴方は。再び、顔が真っ赤になります。
「大丈夫？顔、真っ赤だよ」
『貴方のせいです！』
真っ赤な顔で彼を睨みつけると、彼は笑いながら「ごめん、怒らないで。ね？」と悲しそうな目で見てきます。
ずるいです。その表情。
佐疫さんってこんな人でしたっけ？と、本気で悩んでしまいます。木舌さんの方が、こんなキャラが似合う気がするのですが…。
『と言うか、貴方は私の恋人ですか…』
彼の言動は、恋仲の男女がするような物にしか思えなくて、思わず口に出してしまいました。
「恋人か…Aとなら、それも悪くないかな」
『なっ…！』
「ふふっ。冗談」
『そういう冗談は、止めてくださいっ！』
彼の言葉に、より一層顔に熱が溜まります。頭がクラクラしてきました。
『もう、用事はすんだでしょう。そろそろ帰ってください！』
これ以上彼といると、頭がおかしくなりそうなので、私は慌てて彼を部屋から追い出しました。
「ふふ…それじゃ、また明日」
笑顔のまま、手を振りながら自室に戻っていく佐疫さん。まったく。
私は、ドッと溜まった疲れと高鳴る鼓動を抑える為に、ベッドで眠りにつきました。
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鈴 - マシュさん» コメントありがとうございます。佐疫くんファンがここにも…！ hit数の節目に更新するので、どんどん読んで頂ければ、更新速度が上がりますよ。(催促) (2015年4月5日 13時) (
レス) id: 6ac78f6ee2 (このIDを非表示/違反報告)
マシュ(プロフ) - とても面白かったです!私も佐疫さん好きなんですよ!更新お待ちしております♪ (2015年4月5日 12時) (レス) id: bfb0e46d45 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - charlotteさん» わぁ、本当ですね。興奮しながら打ってたんです…ご指摘ありがとうございます。直しておきますね。 (2015年4月4日 9時) (レス) id: 6ac78f6ee2 (このIDを非表示/違反報告)
charlotte(プロフ) - 照明が証明になってますよー (2015年4月4日 6時) (レス) id: 563efb1be8 (このIDを非表示/違反報告)
薔薇イローズ(プロフ) - 鈴さん» ええっと、ま、まずそれを見てほしいっす！ (2015年4月3日 21時) (レス) id: cf514ca94f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴 | 作成日時：2015年3月30日 21時
