質問と自分と握った手 ページ12
七人で、長い廊下を歩いていきます。
無言です。どうしましょう。
どうにかしようと、頭を回し続けていると、私が結論に達する前に、平腹さんが口を開きました。
「何この空気!静かすぎ!普通もっとワイワイするもんじゃねーの!?」
『そう、ですよね?』
「ん〜、そう言われてもね。おれ、女の子の扱い方とか慣れてないから、どんな話すればいいか分かんないしな〜」
「木舌と同じだ。まず、ここに女が来ることを想定していなかったしな」
私という獄卒の存在は、それほど異常なことなんですね。
平腹さんは、うんうんと唸りながら、何か考えているようです。
じっと見つめていると、パッと顔をあげました。吃驚。何か思い付いたのでしょうか?
「そう、そうだ!オレ、Aに聞きたいことあったんだった!」
『あぁ、さっきそんな風なこと、言ってましたよね』
「うんうん!じゃあ、早速質問タイム!」
思い付いたらすぐ実行。と言うように、急に質問タイムが始まりました。
変な質問が来なければいいですが。
「じゃ、一つめ!なんで髪の毛銀髪なんだー?」
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「ちょっと、平腹!最初から見た目の質問は、失礼すぎない!?」
佐疫さんが、焦ったように小声で平腹さんに注意しています。優しいです。
『いいんですよ。確かに、この髪は珍しいですからね』
私は、自分の髪を指に絡めながら答えます。
『これは、鬼の血のせいなんです』
「鬼?鬼って、俺達獄卒のような鬼のことか?」
私の言葉に、斬島さんが尋ねます。
『いえ。貴方達獄卒は、亡者を裁く、言わば正しい鬼です。
ですが、私に流れる血は、違う。昔話に出てくるような、人に悪さしかできない、罪深い鬼…』
私の中の血の存在が、私自身を苦しめてきました。こんな血、無ければどんなに楽な人生だったでしょう。
私の表情が暗くなったことを皆さん察したのか、気まずそうに目を逸らしました。
あぁ。こんな顔をさせたいわけではないのに・・・
つくづく、自分に嫌気がさします。
けど、その中で、佐疫さんが繋いだ手を強く握ってくれました。慰めてくれているようです。
あぁ、本当に優しい人だ。
私は、小声で『ありがとうございます』と言っておきました。
佐疫さんは、ニコッと笑ってくれました。
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鈴 - マシュさん» コメントありがとうございます。佐疫くんファンがここにも…! hit数の節目に更新するので、どんどん読んで頂ければ、更新速度が上がりますよ。(催促) (2015年4月5日 13時) (レス) id: 6ac78f6ee2 (このIDを非表示/違反報告)
マシュ(プロフ) - とても面白かったです!私も佐疫さん好きなんですよ!更新お待ちしております♪ (2015年4月5日 12時) (レス) id: bfb0e46d45 (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - charlotteさん» わぁ、本当ですね。興奮しながら打ってたんです…ご指摘ありがとうございます。直しておきますね。 (2015年4月4日 9時) (レス) id: 6ac78f6ee2 (このIDを非表示/違反報告)
charlotte(プロフ) - 照明が証明になってますよー (2015年4月4日 6時) (レス) id: 563efb1be8 (このIDを非表示/違反報告)
薔薇イローズ(プロフ) - 鈴さん» ええっと、ま、まずそれを見てほしいっす! (2015年4月3日 21時) (レス) id: cf514ca94f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴 | 作成日時:2015年3月30日 21時