極彩色の世界のなかで (ページ9)

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二番目でいいページ9

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あれからぱったりと彼、髙比良さんに会うことはなくなった。きっと、やけになって飲んでいたらまた私に会うことになり面倒だと思ったのだろう。私たちは連絡先も何も知らない。今日もテレビに出ずっぱりの“令和ロマン”の姿を画面越しにぼんやりと見つめる。

「……どうしてるかな」

またあの夜みたいに泣いていないだろうか。

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いまだにあの夜のことを思い出す。

“あなたの痛みは、私にはわからないです”
“でも、わかりたいと思うのは、だめですか”

元々やさしい子だなとは思っていた。だけどあの言葉はやさしさだけではなく、好意を孕んでいた。だから俺はあの子の前から姿を消した。期待させたくなかった。傷つけたくなかった。

俺はもうこの先、以前のようにひとを好きになることはないんだと思う。「好き」という淡くて脆い感情に振りまわされて、あんなつらい思いをするくらいならもう、恋なんてしないほうがいい。

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