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「この辺だと、福島の電波送信所かな?」
「へぇ、随分詳しいんだね」
「そ、それは新一兄ちゃんが…」
きっとそこまで深い意味は無かったんだろうけど、そんなことを言い出す蘭にコナンくんは苦笑を浮かべると───突然、艦内に轟音が鳴り響いた。
びっくりして肩を揺らす私と、隣で「なに、この不気味な音…」と眉をひそめる蘭。
そんな音に、眠ってた小五郎のおじさんも目を覚まして席を立つ。
「なんだ?何が起こった?」
まだ寝ぼけ半分なのか、キョロキョロ辺りを見回している。
「落ち着いてください、大丈夫です」
井上さんの声に「ふぇ?」と間抜けな声を出して前を向いたおじさん。
「今の音は、注排水装置が海水を大量に吸い込んだ時などに起きる音です」
「ちょっとお父さん…!」
恥ずかしそうに声をかける蘭。
蘭の方をちらりとだけ見たおじさんだけど「あぁそれと、」と話を続ける井上さんに視線を戻す。
「口元の注排水弁が緩んでいるようなので、気をつけてください」
どっと笑が起き、おじさんは慌ててよだれを拭うと「いやぁ、どうもどうも」なんて周囲に手を振り始める。
顔を真っ赤にさせて「お父さんっ、お願いだから座って…!」と注意する蘭。
…うん、私たちもちょっと恥ずかしい。
·
洋上訓練が始まるということでCICに向かう途中、私は蘭の横に引っ付いて歩く。
そんな私を見た園子は呆れたように口角を上げた。
「あんたね、引っ付きすぎなのよ」
『いいじゃん別に!』
「くっつく相手、間違えてるんじゃないの〜?」
ニヤリと笑う園子と、少しだけ頬を染めて「ふふ」と笑い声を漏らした蘭にむっとする。
『もう、辞めてよ!』
「あら、私は別に誰だなんて言ってないけど?」
口に手を当てると「誰を思い浮かべたのかしら〜」なんて言ってくる園子。
そう言いながらも、どうせ2人が思い浮かべてるのは1人しか居ないだろうに。
…ちらっと子供たちと一緒に歩いていたコナンくんを見れば、何故かむっと口をへの字にして私を見つめていた。
いやいやいや。
なにを思ってそんな顔してるの…?
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ゆうみん - 頑張って、もう少しだよん、コナン君達助けてくれるよん、次回楽しみにしてます (2019年5月28日 21時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - ゆうみんさん» ぜひぜひ楽しみにしていただければ光栄です!毎度コメントありがとうございます! (2019年5月28日 20時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - やばいぞ、彼女ちゃん海おちゃたあ、早く助けに行かなくちゃあ、コナン君達はどうなるの楽しみです (2019年5月28日 17時) (レス) id: 031a0bf45d (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - ゆうみん さん» 楽しみにしててください!!!!笑 これからどんどん展開が進みます!!笑 (2019年5月26日 18時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - あああ、気になるあ、どうなるの、犯人は、彼女ちゃん達は次回楽しみにしてます (2019年5月26日 17時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
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