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やっとのことでイージス艦に乗り込むことができた私たち。
テンションが上がるのを自身で感じつつも、食堂に集められた私たちは公開演習の説明を聞いていた。
「本日は、海上自衛隊公開演習に参加していただき、ありがとうございます。今日1日、艦内を案内させていただく井上です、よろしくお願いします」
マイクを片手に前に立っていた井上さんは、ぺこりと頭を下げる。
「では、今回の公開演習のタイムスケジュールを説明させていただきます」
その言葉に、私は癖でポケットに手を入れる。
…あ、携帯持ってないんだった。
『蘭、今何時か分かる?』
「あ、えっとね…」
私たちのやり取りが聞こえたのか、前の席にいたコナンくんがくるりと振り返って「腕時計は?」と尋ねてきた。
修理中で今手元に無いことを説明すれば「あ、そっか」と納得したような表情を浮かべる。
「良かったら、この時計使ってください!」
『え、いいの!?』
「はい!」
私たちの会話に、こちらを向いた光彦くんが時計を外すと私に差し出してくる。
…なんか申し訳ない感じが。
『でもそれじゃあ光彦くんが…』
「僕は、デジカメに時計がついてますから大丈夫です!」
うーん、と渋っていると、なんともこの絶妙なタイミングで「時間厳守です」という言葉が耳に入り込んでくる。
「…借りといたら?」
蘭を挟んで向こうにいた園子がこちらを覗き込んできてそう言うもんだから、私はこくりと頷く。
『じゃあ、ありがとう。借りるね光彦くん』
「はい!防水加工ですから潮風を気にすることありませんし、時間は電波時計ですから、すごく正確ですよ!」
「…電波ってなんだ?」
目をぱちくりとさせる元太くん。
その問いかけにガクッとした光彦くんが「知らないんですか?」と呟く。
「正しい時間を知らせる電波を、日に何回か受信する時計です」
『…おお』
園子や蘭も感心するように私の手元にある腕時計を見た。
…こんなすごい時計、借りちゃっていいのだろうか。
「ちなみにそれは、朝と夕方の5時に受信します」
「受信ってどこからするの?」
「それは…、」
困ったように口ごもる光彦くん。…の、代わりに声を発したのはコナンくんだった。
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ゆうみん - 頑張って、もう少しだよん、コナン君達助けてくれるよん、次回楽しみにしてます (2019年5月28日 21時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - ゆうみんさん» ぜひぜひ楽しみにしていただければ光栄です!毎度コメントありがとうございます! (2019年5月28日 20時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - やばいぞ、彼女ちゃん海おちゃたあ、早く助けに行かなくちゃあ、コナン君達はどうなるの楽しみです (2019年5月28日 17時) (レス) id: 031a0bf45d (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - ゆうみん さん» 楽しみにしててください!!!!笑 これからどんどん展開が進みます!!笑 (2019年5月26日 18時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - あああ、気になるあ、どうなるの、犯人は、彼女ちゃん達は次回楽しみにしてます (2019年5月26日 17時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
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