□19. ページ20
·
「いっただきまーす!」
元太くんの元気な声が響き渡る。
戻ってきたコナンくんも一緒にみんなで昼ごはんのカレーを食べていた。
ぱくりと口に入れると、空腹だったせいか身に沁みてとてつもなく美味しい。
思わず私はほっぺたに手を当てた。
『んんん、美味しい…♡』
「あざっといわね、そんな可愛い仕草したって新一くんはここには居ないわよー?」
『かわ…、ちょっと園子!!!』
ニヤニヤしながらもそんなことを言い出す園子に、私はガタッと席を立つ。
いるんだってば…!!すぐそこにっ!!
「なーによ、慌てちゃって」
『別に…!!』
くすりと笑いを零す蘭にも「笑わないでっ」と吐き捨てると椅子に座り直す。
前の席にいたコナンくんは、頬を染めてこちらをじっと見つめていた。
…ほらぁ、園子のせいで。
『…なに』
「あっ、いや、別に…」
むっとして睨みつければ、ビクッと身をすくめたコナンくんが前を向き直す。
…気づいて、ないよね。
「でも、新一も一緒来れたらよかったのにね」
『…まぁね』
カレーを頬張りながらも蘭の言葉に適当に返事をする。…実は来てるんだよ。
「…A、電話してみたら?」
『やだ』
即答する私に蘭が「な、なんで…?」と数回瞬きをした。
『蘭がしてきなよ、…事件のこと話したいんでしょ?』
「でも…」
『カレーおかわりしたいのっ!!』
戸惑いを見せつつも、園子に「Aがそう言ってるんだからいいじゃない、行ってきなさいよ」と背中を押された蘭は席を立った。
もちろんコナンくんも慌ててこの場を去る。
「…んで、何をそんなにイライラしてんのよ」
『してないよ』
「新一くんと喧嘩でもしたわけー?」
園子の方は見ずに、カレーを食べながらも「違いますぅ」と放つ。
…電話しないって言ったのは、すぐそこに居るのになんか面倒くさかっただけで、さっきの流れで恥ずかしかったからとかじゃないもん。別に。
「…まさか、愛想つかしちゃったとか?」
『そんなわけないでしょ!…好きだよ、ちゃんと』
「へぇぇ♡」
『いいから放っといてよーっ!!』
コナンくんがこの場に居ないから。
ぼそりと言った本音に、園子はニヤリと笑って私のことをじっと見るもんだから顔が熱くなった。
793人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうみん - 頑張って、もう少しだよん、コナン君達助けてくれるよん、次回楽しみにしてます (2019年5月28日 21時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - ゆうみんさん» ぜひぜひ楽しみにしていただければ光栄です!毎度コメントありがとうございます! (2019年5月28日 20時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - やばいぞ、彼女ちゃん海おちゃたあ、早く助けに行かなくちゃあ、コナン君達はどうなるの楽しみです (2019年5月28日 17時) (レス) id: 031a0bf45d (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - ゆうみん さん» 楽しみにしててください!!!!笑 これからどんどん展開が進みます!!笑 (2019年5月26日 18時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - あああ、気になるあ、どうなるの、犯人は、彼女ちゃん達は次回楽しみにしてます (2019年5月26日 17時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ