□18. ページ19
「そんなことって…?」
「ぼ、僕…、大丈夫……大丈夫だから…!」
『あ、待って!』
この場を走って逃げ出そうとする勇気くんの腕を咄嗟に掴むと、彼のポケットから薬の錠剤が落ちた。
それを拾ったコナンくんは「はい、落ちたよ」と手渡す。
「これ何の薬?」
「蕁麻疹とか、痒いの止める薬…」
私が手を離すと、勇気くんは薬を受け取ってポケットにしまい直した。
そんな彼に蘭が問いかける。
「どこか悪いの?」
「牛乳とか、飲んじゃダメだから」
「ああ、食物アレルギーかぁ…」
コナンくんがそこまで言ったところで、勇気くんは私たちに背を向けて歩き出してしまう。
慌てて呼び止める蘭に、足を止めた勇気くんが「お父さんが言ってた…」とぽつりと零した。
「強い子になれって。それで勇気って名前にしたんだって。…だから、大丈夫!」
力強く言われた“大丈夫”の言葉。
何も言えずに黙って下ろしていた腰を上げると、目の前には男の人がいた。
…あ。
「勇気!こんなところにいたのか!」
「あ、お父さんですか?」
「ええ」
「よかった、迷子になってたみたいなんで」
安心したような口調で言う蘭にお父さんは「ご迷惑おかけしてすみません」と謝罪する。
「ほら、1人で勝手に歩き回るからだぞ」
小さく会釈すると立ち去ってしまう2人。
そんなふたりの後ろ姿をじっと見つめるコナンくんの目付きが鋭かった。
…コナンくんが怪しむのも分かる。
なんか、…距離感がおかしいというか違和感というか。
·
ヘリが飛び立ったのを見た私は、園子たちと合流して食堂へと向かっていた。
…本当はコナンくんについて行こうと思ったんだけど、食欲には勝てなかった。
きっと今頃は博士や服部くんと連絡を取り合ってるんだろう。
「Aお姉さん、コナンくんはー?」
『またトイレです』
園子と蘭が話に夢中になってる間、子供たちの横を歩いていると歩美ちゃんが私のことを見上げた。
…長い長いトイレですよ。
歩美ちゃんは「またぁ?」と唇を尖らせる。
…そろそろ蘭とかに心配されて病院連れていかれちゃうくらいにトイレ近いよね。
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ゆうみん - 頑張って、もう少しだよん、コナン君達助けてくれるよん、次回楽しみにしてます (2019年5月28日 21時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - ゆうみんさん» ぜひぜひ楽しみにしていただければ光栄です!毎度コメントありがとうございます! (2019年5月28日 20時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - やばいぞ、彼女ちゃん海おちゃたあ、早く助けに行かなくちゃあ、コナン君達はどうなるの楽しみです (2019年5月28日 17時) (レス) id: 031a0bf45d (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - ゆうみん さん» 楽しみにしててください!!!!笑 これからどんどん展開が進みます!!笑 (2019年5月26日 18時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - あああ、気になるあ、どうなるの、犯人は、彼女ちゃん達は次回楽しみにしてます (2019年5月26日 17時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
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