□14. ページ15
·
昔のことを思い出しながら歩いていると、蘭の「あれぇ?」という声が耳に入る。
『…ねぇ、まさか蘭』
「と、トイレってこっちじゃなかったっけ…」
俺らの目の前には立ち入り禁止と書かれていて、チェーンがかかっている。
キョロキョロと周りを見回したかと思えば、蘭は俺とAの方を向く。
「ご、ごめん…迷っちゃったみたい」
『もーっ!』
…おいおい、本当に迷うなよな。
呆れ半分でそんなことを心の中で呟きつつ、戻ろうとした時だった。
立ち入り禁止の区間から「うわぁーっ!!」という悲鳴が聞こえてきたのは。
『な、なに……って、コナンくん!』
Aの手を離すと、俺はチェーンをくぐり抜けて奥へと入っていった。
悲鳴が聞こえてきたと思われる部屋の前。
慌てて追いかけてきたらしい2人も気がつけば俺の後ろにいた。
「沢村さん!」
「大変なものを吸い込んでしまって…」
「大変なもの?」
部屋の中には4人の隊員が居て、そのうちの3人が台を囲んでいた。
…なんだ、あれ。
「おい、それって…!」
台の上にある“それ”を目を凝らして見てみると、なにやらそれは人間の左腕らしきものだった。
『あれ…』
Aの声に、隊員の1人がこちらを振り返った。
「君たち、ここは立ち入り禁止だぞ!」
「す、すみません…トイレに行く途中に迷ってしまって…」
蘭が後ろで謝罪する中、俺はじっとその腕を凝視する。…その左腕は、自衛隊の制服をまとっていた。
「とにかくお前達はこのことを艦長に報告するんだ」
「…蘭姉ちゃん、小五郎のおじさんに知らせよう」
蘭を見上げてそう言うと、彼女は「うん、そうね」と頷いて隊員に声をかける。
「あの、父に相談してみればいかがでしょうか?」
「え?」
「あの台に乗っていたの、人の腕ですよね…?」
蘭の言葉に「それは…」と口ごもる隊員さんに、ごそごそとカバンを漁る蘭。
…そして、1枚の派手な名刺を取り出して渡した。
「私の父、毛利小五郎なんです」
「え…」
「ご存知ありませんか?…名探偵の眠りの小五郎、って」
·
797人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうみん - 頑張って、もう少しだよん、コナン君達助けてくれるよん、次回楽しみにしてます (2019年5月28日 21時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - ゆうみんさん» ぜひぜひ楽しみにしていただければ光栄です!毎度コメントありがとうございます! (2019年5月28日 20時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - やばいぞ、彼女ちゃん海おちゃたあ、早く助けに行かなくちゃあ、コナン君達はどうなるの楽しみです (2019年5月28日 17時) (レス) id: 031a0bf45d (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - ゆうみん さん» 楽しみにしててください!!!!笑 これからどんどん展開が進みます!!笑 (2019年5月26日 18時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - あああ、気になるあ、どうなるの、犯人は、彼女ちゃん達は次回楽しみにしてます (2019年5月26日 17時) (レス) id: bf7cef9bae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ