【名探偵コナン】世界はあなたの色になる。【１１人目のストライカー】

□７． ページ8

「サッカー選手の車の特徴は、サッカー用語に由来して、ドアがよく閉まることだと言われておる」


いつものクイズに、呆れたような表情を浮かべていた子供たちの表情がだんだんと明るくなってくる。

なんだかんだ言ってちょっとした楽しみでもあるもんね。………少なくとも私は。


「さて、その用語は次のうちどれかな？───1、オフサイド。2、ハンド。3、コーナーキック。4、イエローカード」


考え込むみんなを見て楽しそうに「今回のは少し難易度が高かったかな？」と笑ってる博士。

…んんん、答えは分かったけど相変わらず寒いダジャレだなぁ。


『…でもちょっとだけ上手』

「愛花ちゃん分かったの？」

『うん、答えは──…』

「2番！」


こちらを向いた歩美ちゃんに答えようとした時、どこからか声が聞こえて私たちはそっちの方へと視線を上げた。


「ハンドリングのハンドだと思うよ」


こちらに歩いてきているのは遠藤選手…を含めたサッカー選手たち。


「ドアがよく閉まるってことは、半ドアが無いってことでしょ？半ドア無し…“ハンドは無し”」

「正解じゃ！」


見事に正解した遠藤選手に詰め寄るのは園子。
あーあ、京極さんがいなくてよかったよほんと。


「すっごーい、遠藤選手！サッカーだけじゃなくて頭もいいんですね！」


あはは、と小さく笑う遠藤選手。

すっかり明るさを取り戻したこの場に「ちーっす」と言う気の抜けたような声が入ってきた。


「遅なってすんませーん」

「貴大、遅いじゃないか！」


こちらへ歩み寄ってくるのは比護選手と同じユニフォームの男の人。…っていうか、私とあんま年齢変わんないんじゃ？


「誰だあの兄ちゃん」

「真田選手ですよ、今年ユースから上がった新人でワントップの比護さんのサブです」


首を傾げた元太くんに丁寧に説明した光彦くん。
私は「あ、あの人か…」と呟いた。

…ってことは、18歳とかでしょ？

ほんとに私や新一と年齢変わんないじゃん。



「前半をすっぽかすなんていい度胸してんな」

「俺、子供苦手なんすよー」


比護選手に言われても、ポケットに手突っ込んだまま気だるげに言う真田選手。

あーあ、やだやだ。だらしないなぁ。

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