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□37. ページ38

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光彦に、元太…、灰原まで。
俺の目に映る4人に戻るように施す。


「オメーら!早く逃げろっつってんだよ!!」


爆弾を止めようにも、もうボールがねーんだ。

…つまりは、逃げなければ爆発してしまう。
それを伝えたかったのにも関わらず、返ってきた答えは微かな希望を導き出した。



「ボールならまだあるぞ!!」

「ヒデの、サインボール…」


元太が両手に持って掲げているのは、彼がずっと大事そうに持ち歩いていたヒデのサイン入りのボールだった。


「なんだかよく分かんねーけど、このボールで爆弾が止まるなら…!行くぞ光彦!!」

「え、いいんですかそのボール…」

「しっかり受け取れよ…!!」


元太が思い切り蹴ったボールは、光彦の元へと渡る。大事そうにそれをキャッチした光彦は強い眼差しで灰原を見つめた。


「灰原さん、頼みます…!」


光彦から灰原へ。
ボールはトントン拍子で回っていく…、なんてドラマの世界みたいに上手くは行かない。

灰原から歩美へ渡ったところで、彼女は不安そうに瓦礫の先を見つめた。


「どうしよっ…あんな遠くまで…歩美、蹴れないよ!」

「瓦礫さえ超えれば大丈夫です!」

「サッカー教室を思い出せ!」


ちらりと上にいる3人を見た歩美。

最後の最後で、小さく元気づけるように笑った灰原が「大丈夫よ、吉田さん」と声を掛ける。


「うんっ」

「……、オメーら、」


頷いた歩美は地面にボールを置くと少しずつ後ろに下がって…


「行くよ、コナンくん…!」


掛け声と共にボールが宙に浮いた。



「…っ!」

「そ、そんなっ…!」



高く上がったボールはあとほんの少しのところで、瓦礫に当たって奥へと弾かれた。

爆破で上がった火のせいなのか、体温のせいなのか、それともこの状況のせいなのか…、じんわりと嫌な汗が滲んだところだった。




『───ごめんね。待ってるって約束、破っちゃった』



微かに聞こえた声は、確かに“あいつ”のものだった。



「愛花…!」

「愛花ちゃんお願い!そのボール、コナンくんに回して!」


灰原と歩美の言葉。
俺は瓦礫に隠れて見えない奥をじっと見つめた。



「………A」

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ぱぴこ(プロフ) - 茜さん» ありがとうございます!!そう言っていただけると嬉しい限りです!!ぜひこれからもよろしくお願いします! (2019年5月23日 20時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
- おおおお毎回お話が面白すぎて毎日楽しみです!頑張って下さい! (2019年5月22日 18時) (レス) id: fc9bd81442 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱぴこ。 x他1人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年5月18日 22時

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