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「それは、俺が知史にやった…いや、違う、…そんなはずねぇ…!」
俺の腕にはカズ選手から貰ったリストバンド。
俺の姿を知史くんに重ねたのか…、それは分からないけれど、中岡さんは1歩ずつ後ろに退く。
「そんな…俺が間違っているとでも言うのか知史…、俺はっ、敵を取ってお前の元へ逝きたかっただけなんだ…!なのにどうして知史…っお前まで俺を否定するんだ…」
「中岡さん…?」
泣き崩れて地面に膝をついた中岡さんはわなわなと震える手をこちらへ伸ばす。
「知史っ!逃げろ…!!」
ぴ、ぴ、…と嫌な電子音。
またもやスタジアムは大きく揺れ、爆発が起こった。
「っ…くそ!!!」
「よせ…!!」
「冗談じゃねぇ…!!」
このままじゃ、何もかもが終わっちまう。
駆け出した俺はベルトからボールを射出すると靴に手を当てる。
「諦めて、たまるか…!!」
「無理だ、子供の力じゃ…!」
止める…爆発はぜってー止めてやる…!!
あいつと約束したんだ、絶対に戻ってくるって…!
「いっけぇぇ!!」
俺の蹴ったボールは勢いよく飛ばされ、
「曲がったぁ…!!」
綺麗に曲がり、ゴールポストを目掛けた。
いける、…そう思った時だった。
爆破によって壊されたライトが上から落ちてきた。
綺麗なタイミングでぶつかったボールとライト。
ライトの破片がキラリと飛び散り、地面に転がったボールは空気が抜けていく。
それと共に次々と崩れてきた機材や柱は、ゴールの前を塞いだ。
「そんな…、ボールはあの一球しかねぇってーのに…」
────いや、替えがあったとしてもこれじゃあ…。
さっきの爆発が3回目ってことは、もう残り2分を切ってる。
…どうする。
瓦礫が邪魔で直接ゴールポストが狙えねぇ。
…どうする。
既に手持ちのボールも無ぇ。
…どうする!!
「──コナンくーん!!」
必死に思考を巡らせていた俺の耳に入ってきたのは、よく聞き覚えのある…、
まさか…
「歩美!?」
「助けに来たよー!!」
「早く逃げろ…!爆発するぞ!!」
客席のところで立っている彼女が目に映り、早くこの場から逃げるように言えば彼女に続いて3人。
聞き覚えのある声が耳を通り抜けた。
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ぱぴこ(プロフ) - 茜さん» ありがとうございます!!そう言っていただけると嬉しい限りです!!ぜひこれからもよろしくお願いします! (2019年5月23日 20時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - おおおお毎回お話が面白すぎて毎日楽しみです!頑張って下さい! (2019年5月22日 18時) (レス) id: fc9bd81442 (このIDを非表示/違反報告)
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