□１９． ページ20
咳払いをして話を戻した白鳥警部はメモの方に視線を戻す。
「最後に、中岡さん。3年前の2月、バイクで事故を起こした後すぐに手術を受け、半年間リハビリを続けましたが元のようにはならず…スピリッツから内定を取り消されました」
「スピリッツに…ですか」
そう呟くおじさん。
…つまり、動機はちゃんとあるということだ。
「ええ、その後サッカーを諦めて単身で南米へ。1年後の去年の8月に帰国。群馬の実家に戻り、バイクで暴走行為を繰り返すなど…荒んだ生活を送っていたようです」
千葉刑事が補足するように話に加わる。
…それに続いて目暮警部が話し出した。
結論として、山森さんと香田さんは東都スタジアムを爆破する一応の動機があって爆弾も仕掛けやすい立場にいるけれど、自作自演というのは考えにくい。
榊さんもオウンゴールを冷やかされたことが毛利さんへの恨みや挑戦に繋がるとは考えにくい。
息子さんの死とJリーグに直接的な繋がりがあるわけでは無い本浦さんの線も薄い。
警部とおじさんの会話が頭へと入ってくる。
……ってことは？
「で、問題は最後の中岡さんだ。群馬県警の山村警部の証言によると…」
“そりゃもう無茶苦茶な暴走してくれちゃってましたね〜。なんていうか、そう…まるで手負いの狼が死に場所を求めているような…な〜んちゃって！”
…想像つく山村警部の口調にやや苦笑い。
「Jリーガーになれなかったのは、自分がバイクで事故を起こしたため…それでも、内定を取り消したスピリッツを逆恨みしている可能性は十分にある」
「以上の理由から中岡一雅を徹底マークすることになりました」
───と、告げられたのは昨日の話。
翌日の昼にやってきた警部たちによると、中岡さんを逮捕したらしい。
「え、中岡さんを逮捕したの？」
『なんで？』
「いやぁ、昨夜彼に張り付いてた時…興奮して殴りかかってきたもんでね…」
尋ねる私たちに、高木刑事が答えてくれた。
…公務執行妨害ってことか。
「で、今朝落ち着いたところで話を聞いてきたんですが…」
「どうやら、スピリッツへの恨みという線は無さそうですね…」
佐藤刑事と高木刑事の言葉に、目暮警部とおじさんがいち早く反応した。…もちろん、隣に座っていた新一も微かに眉をひそめていた。
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ぱぴこ(プロフ) - 茜さん» ありがとうございます！！そう言っていただけると嬉しい限りです！！ぜひこれからもよろしくお願いします！ (2019年5月23日 20時) (
レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - おおおお毎回お話が面白すぎて毎日楽しみです！頑張って下さい！ (2019年5月22日 18時) (レス) id: fc9bd81442 (このIDを非表示/違反報告)
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