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そんな比護選手が向かったのは、新一の元だった。


「工藤新一……知ってるか?」

「え、えっと…」


じっと見つめながらも新一の名を口にする比護選手に、新一は戸惑ったように口ごもる。

私はみんなのいる場所に入り込むと、歩美ちゃんの横に並んだ。

…あ、比護選手もかっこいい。




「新一のこと…!新一のこと、知ってるんですか…?」

「あ、ああ。前に彼の試合を見に行って、声をかけたことがあるんだ。その彼に似てるんだよ…この子の蹴る時のフォームが」



蘭の言葉に新一との関係性を説明した比護選手。

…さすがプロのサッカー選手。
私でも新一の蹴り方のフォームでなんて気づけないもん。


「そっ、それは新一兄ちゃんにサッカーを教わってるからだと思うよ!あ、あはは…」


身振り手振りを加えながらも必死に説明する新一がなんだかおかしくって吹き出せば、ジト…と睨まれる。


「そうか、やっぱあいつに教わってたのか。…サッカー、頑張れよ!」

「うん!」


さっき私がヒデ選手にやられたみたいに、新一は比護選手にくしゃりと頭を撫でられる。

それだけを残して去っていってしまう比護選手の背中を見つめていると、横から「いいなぁー!」という子供たちの声が耳を通り抜けた。



「コナンくん比護選手になでなでされて!」

「羨ましいです!」

「当分頭洗わない方がいいぞ!」


そんな3人に、にへ…と嬉しそうに頬を緩めた新一が「そうすっかな〜」なんて言った時だった。

…あーあ、哀ちゃんが。


「おわっ…ちょっと…!」



新一の後ろにいた哀ちゃんが、彼の頭をぐしゃぐしゃに掻き回すように撫でた。

驚いて後ろを向く新一に彼女が言った言葉は、



「…洗えば?」

「はぁ?」

『あ、はは…』


苦笑いしながらも、心の中で優越感。

…だって、私はヒデ選手になでなでされちゃったもんね。






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ぱぴこ(プロフ) - 茜さん» ありがとうございます!!そう言っていただけると嬉しい限りです!!ぜひこれからもよろしくお願いします! (2019年5月23日 20時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
- おおおお毎回お話が面白すぎて毎日楽しみです!頑張って下さい! (2019年5月22日 18時) (レス) id: fc9bd81442 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぱぴこ。 x他1人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年5月18日 22時

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