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「何か引っかかるみたいね」
「ああ、問題のコンサートの大会は12月3日」
「え…Jリーグの最終戦と同じ日!?」
なんとなく気まずいけれど、新一についてきた私は博士の家。哀ちゃんと新一が話す中、ポテチを口に放り込んだ。
…なにが気まずいってわけじゃないけど。
朝からあんな変にいじけてたから、ちょっと恥ずかしいっていうか。
───嫌なんだよ、オメーが危ねぇ目に遭うのが。
新一の言葉がもう一度頭の中で流れる。
なにあれ、私のことが心配ってこと?期待しちゃっていいの?
『…可愛いなぁ』
ぼそりと独り言。
隣にいた哀ちゃんだけど、新一と博士との話に夢中な様子で私のことは気に留めてないみたいだった。
氷の入ったガラスのコップに刺してあるストローをくるくると回しながらもぼーっとする。
「──なぁ、A」
『んぇ?』
「汐留アリーナの他に人が集まる場所ってあるか?」
『なんで私に聞くの…分かるわけないじゃん…』
「はは、だよなぁ…」
なかなか犯人の意図が解けずにいる新一は悔しそうにそう呟く。
…事件、事件、サッカー、黒の組織、事件……ほんとにこいつは頭良くて勘も鋭いくせに、私の気持ちにはなんにも気づいてくれないんだから。
…この鈍感野郎。
『博士、ラーメン食べたい』
「ダメよ」
『え』
博士を見上げたところで、私に言葉を返したのは博士ではなく哀ちゃんだった。
ジト…と私と博士を交互に見てため息をつく。
「博士にこれ以上カロリー高いもの与えようとしないで」
『はぁい…じゃあ新一、食べに行こ?』
「オメー、さっき家ではお腹いっぱいって…」
『あの時は食欲無かったのー!』
呆れたように「へーへー」と返事をした新一には、また今度な…と適当にあしらわれる。
…いいもん、蘭と一緒に行くもん。
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ぱぴこ(プロフ) - 茜さん» ありがとうございます!!そう言っていただけると嬉しい限りです!!ぜひこれからもよろしくお願いします! (2019年5月23日 20時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - おおおお毎回お話が面白すぎて毎日楽しみです!頑張って下さい! (2019年5月22日 18時) (レス) id: fc9bd81442 (このIDを非表示/違反報告)
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