□１５． ページ16
side change.
『う、…』
砂埃が舞い、瓦礫が落ちてくる。
さっきの爆発でこちらへ走ってきていた新一を見失ってしまった。
『新一っ！！！』
爆破が止んで、すぐさま新一のいた場所に駆けつけるけれど、彼は見当たらない。
『新一のメガネ……、っわ！』
瓦礫につまづいて転んでしまい、全身に痛みが走る。それよりも、…と体を起こした時だった。
傍で瓦礫がカタカタと揺れたかと思えば新一が顔を出す。
「っA！！」
『新一…』
私から電光掲示板へと視線を移した新一は目を見開く。
…電光掲示板が、ずるずると今にも崩れ落ちそうになっていたから。
「逃げろぉーーーーー！！」
『新一、あっち！』
新一が取り付けたらしいサスペンダー。
太い柱は、電光掲示板を支えきれずに今にも折れそうになっている。
『あとちょっと…！』
「頼む、もう少しだ！」
ピキ、と太い柱にさらに大きなヒビが入る。
「引けぇぇぇ！！」
本当に間一髪だった。
太い柱が折れるよりも先に電光掲示板の柱の方がガシャンと崩れ、その勢いで後ろに倒れる。
おかげで観客のいるコートの方に崩れることは無かった。
『よかっ、た…』
「ああ…、っと、」
『無茶ばっかして…！』
観客の人々が無事なことを確認し、ほっと一息。
…そんな空気で勢いよく新一の方を向いて肩を掴めば、彼はぎょっと固まった。
『ほんとに、…よかった』
困ったように頭の後ろを掻いた新一は、ぽんぽんっと軽く私の頭を撫でる。
…少しでもかっこいいなぁと思ってしまう自分が情けない。
たったそれだけでドキッとしてしまう私は、怒りや不安が吹っ飛んでしまう私は、…相当単純な女なのかもしれない。
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ぱぴこ(プロフ) - 茜さん» ありがとうございます！！そう言っていただけると嬉しい限りです！！ぜひこれからもよろしくお願いします！ (2019年5月23日 20時) (
レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - おおおお毎回お話が面白すぎて毎日楽しみです！頑張って下さい！ (2019年5月22日 18時) (レス) id: fc9bd81442 (このIDを非表示/違反報告)
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