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下で作戦の練り直しだ、とスカイデッキを去っていった中森警部たち。
「いやー、面白いもんを見せてもらった」
『…禁煙ですよ?』
ここで煙草を吸い始めようとする藤岡さんに、私はボソリとそう伝える。私に続いて浅野さんも。
「申し訳ありません、お煙草はBデッキの喫煙室でお願いします」
その言葉を聞き入れた藤岡さんは「毛利さんもご一緒にどうです?」とおじさんを誘うが、すっかり疲れてしまっている様子のおじさんは部屋で休むと告げた。
『そりゃそうだよね…』
はは、と笑えば、蘭も苦笑いで頷いた。
·
蘭と園子と共にやってきたトイレ。
鏡の前で前髪を直していると、個室から出てきた園子がなにやら絆創膏の話を始めた。
『絆創膏がどうかし……うわっ』
ポーチから絆創膏を取り出してよく見てみると、小さく“新一♡LOVE”と書かれていた。
なにこれ!!と驚く私に「あはは…」と笑う蘭と満足気に「気に入った?」なんて言い出す園子。
『もう…、』
「…あ、待ってA!」
『ん?』
「これ、飛行船乗る時に作業員の人にあげてなかった!?」
蘭の言葉に私は乗船した時のことを思い出す。
…そういえばあげたんだったっけ。
むっとして園子を見つめていれば、宥めるように蘭が口を開く。
「小さいから大丈夫よ!」
「そうそう、誰も見ちゃいないって!」
『…だといいけどっ!』
トイレから出てみんなの元へと戻ろうと歩いていた時、ふと蘭が足を止めた。
さっきはよく見れなかったレディスカイをちゃんと見てきたいらしい。
『あ、私も一緒に行く』
部屋に戻るという園子とは分かれて、私たちはエレベーターに乗り込んだ。
すぐにピンポン、という音が鳴ってスカイデッキに到着。
「あれ、誰かいる…」
『ほんとだ、』
レディスカイの前に立っているのはウェイターさんだ。
歩み寄る私たちに気がつくと「どうも」と一声。
「ちょっと仕事を抜け出して、このビックジュエルを見に来ていたんです」
「へぇ…」
『綺麗ですもんねっ!!』
テンションが上がって思わず背伸びしてしまう私に、ウェイターさんは優しく微笑むと時計に目線を向けた。
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(名前)ひよ(プロフ) - コメント失礼します。最近占いツクールで主さんの作品を見させてもらっています。質問ですが、うざさ99%の作品でパスワードがかかっていて、作品を見ることができません…。パスワードとはどんなのか教えてくださると嬉しいです! (2020年11月23日 9時) (レス) id: 8296576305 (このIDを非表示/違反報告)
す(プロフ) - 遊び人さん» ここだけの話、好きです(小声)隙あらば狙ってます(小声) (2020年8月31日 21時) (レス) id: 3a75016096 (このIDを非表示/違反報告)
遊び人 - 快斗って夢主のこと好きなんですか???星が綺麗って言ってたし顔赤くしてたし!!よかったら教えてくださいいぃ!! (2020年8月31日 20時) (レス) id: 08ebd560d2 (このIDを非表示/違反報告)
Akiko Tanei(プロフ) - 『一部始終しか見ていない』とありますが、『一部始終』とは最初から最後まで・細々としたところまでという意味なので、文章の意味的に『始終』はいらないと思いますよ。 (2020年1月6日 0時) (レス) id: ac2f5c909d (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - 蓮花さん» 覚えている人がいてくれたなんてびっくりです…!!超嬉しい!!笑 ありがとうございます!! (2019年6月24日 7時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱぴこ。 x他1人 | 作成日時:2019年5月4日 11時