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スカイデッキへと続く階段の前で待機している私は、不安を隠すようにお母さんの形見である指輪を握りしめた。
新一だから大丈夫だってことは分かってるけどさ!…ちゃんと信じてるけどさ!
スケボーの音と銃声が嫌に響いて何も見えないこの場では、やっぱり少しだけ…心配になっちゃう。
しばらくすると、足音が近づいてきてすっかり見慣れた小さい男の子が視界に入った。
「A!登るぞ!」
『うん…!』
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スカイデッキへやってきた私たち。
レディスカイの入っていたガラスケースの後ろに隠れて敵がやって来るのを待つ。
猫さんがやって来たのは遅くなかった。
未だに若干息切れしている私の横で、新一は快斗から貰った次郎吉さんの指紋シールを用意する。
「……いちと、」
「…!」
「なな!」
新一がそう呟いて口角を上げた時、その猫さんは床下に真っ逆さま。…あとで警察が迎えに来るまでそこで大人しく待っていてくださいな。
「…キッド用の仕掛けが役に立ったな」
『んね』
「それとこいつも」
『さすが怪盗キッドでしょ?』
んふふ、と顔覗き込めば、ジト目のまま何も返してくれない。
…え、なにその反応。
「動くな!」
『わっ…』
いつの間にやって来たのか、私と新一は犯人に銃口が向けられていた。
新一の持っていた指紋シールを捨てるように指示したかと思えば「そこに手をつけ」と正面に回りながら言った。
「つ、つかなきゃダメ?」
『…かわいー』
声が漏れていたことに気がついてはっと口を塞ぐ。
逆らうんじゃねえ、と一喝された新一…いや、コナンくんと言った方が妥当か。コナンくんは「はぁい」と可愛らしい返事をすると…、
「俺は他の奴らみたいに───っうわあ!!」
手をついた。
……指紋認証のパネルに。
もちろん次郎吉おじさま以外の指紋を確認したため、キッド用の仕掛けが作動し飛び出してきたグローブに吹っ飛ばされた男は地面に仰向けで転がった。
「あーあ、だから言ったじゃん?」
『…っぶない!!』
パン、パン、という発砲音がその場に響く。
慌てて銃弾に当たらないように逃げる私たち。
そう、まだダウンしていない猫さんは居るのだ。
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(名前)ひよ(プロフ) - コメント失礼します。最近占いツクールで主さんの作品を見させてもらっています。質問ですが、うざさ99%の作品でパスワードがかかっていて、作品を見ることができません…。パスワードとはどんなのか教えてくださると嬉しいです! (2020年11月23日 9時) (レス) id: 8296576305 (このIDを非表示/違反報告)
す(プロフ) - 遊び人さん» ここだけの話、好きです(小声)隙あらば狙ってます(小声) (2020年8月31日 21時) (レス) id: 3a75016096 (このIDを非表示/違反報告)
遊び人 - 快斗って夢主のこと好きなんですか???星が綺麗って言ってたし顔赤くしてたし!!よかったら教えてくださいいぃ!! (2020年8月31日 20時) (レス) id: 08ebd560d2 (このIDを非表示/違反報告)
Akiko Tanei(プロフ) - 『一部始終しか見ていない』とありますが、『一部始終』とは最初から最後まで・細々としたところまでという意味なので、文章の意味的に『始終』はいらないと思いますよ。 (2020年1月6日 0時) (レス) id: ac2f5c909d (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - 蓮花さん» 覚えている人がいてくれたなんてびっくりです…!!超嬉しい!!笑 ありがとうございます!! (2019年6月24日 7時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱぴこ。 x他1人 | 作成日時:2019年5月4日 11時