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「お前らがやったのか」
私たちは銃口を向けられたままラウンジに連れて行かれた。…リーダー格の男は解除された爆弾を見てそう問いかける。
不安で押しつぶされそうな表情の子供たちの前に出た私と新一。
『…こんな、子供がそんなことできるわけないじゃないですか』
私の声に、男の視線がこちらに向いた。
それと同時にぎょっとして私を見る新一。
男は爆弾を置いてこちらへ歩み寄ってくる。
正直怖いし足も微かに震えてるけど、ここまで言っておいてごめんなさいは格好悪いから言わない。
「違うよ、僕が1人でやったことさ…!」
『っ、コナンくんは黙ってて!!』
「みんなは関係ないよ!!」
むっとして彼を見下ろす。
そんな私と新一を交互に見た男は、微かに口角を上げたかと思えば、
「ふん、いい度胸だ」
新一の首根っこを掴んで持ち上げると、開いた窓から放り投げた。
『───コナンくん!!』
咄嗟に体が動いてしまった。
私の名を呼ぶ園子の声も、蘭の伸ばした手も全部全部すり抜けて。
彼に続いて窓から飛び降りた私は、自分の体が急降下していることにぞっと背筋が凍る。
でもそんなことを気に止めてる場合でもなかった。
『コナンくん!!!』
私よりすこし先を落ちる新一に、必死に手を伸ばすけどギリギリで届かない。
『やだ、…新一っ!!』
声も手も届かない。
思わず泣きそうになっていたところで、なびく新一の服に手が届いた。
「──っA!?」
くいっとそれを強く引っぱった私は彼を抱きしめる。驚く彼の言葉は全部スルーして、ぎゅうっと抱きしめる力を強めた時、後ろからふわりとホールドされる感覚。
『っ、かい───キッド…!!』
ウェイターさんの姿から怪盗キッドの姿になった時には、俗に言うお姫様だっこという形に。
私を見下ろして「お前なぁ、自分から飛び降りてどうするアホ」なんていう快斗に安心して、思わず視界がじわりと歪んだ。
「ったく…」
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(名前)ひよ(プロフ) - コメント失礼します。最近占いツクールで主さんの作品を見させてもらっています。質問ですが、うざさ99%の作品でパスワードがかかっていて、作品を見ることができません…。パスワードとはどんなのか教えてくださると嬉しいです! (2020年11月23日 9時) (レス) id: 8296576305 (このIDを非表示/違反報告)
す(プロフ) - 遊び人さん» ここだけの話、好きです(小声)隙あらば狙ってます(小声) (2020年8月31日 21時) (レス) id: 3a75016096 (このIDを非表示/違反報告)
遊び人 - 快斗って夢主のこと好きなんですか???星が綺麗って言ってたし顔赤くしてたし!!よかったら教えてくださいいぃ!! (2020年8月31日 20時) (レス) id: 08ebd560d2 (このIDを非表示/違反報告)
Akiko Tanei(プロフ) - 『一部始終しか見ていない』とありますが、『一部始終』とは最初から最後まで・細々としたところまでという意味なので、文章の意味的に『始終』はいらないと思いますよ。 (2020年1月6日 0時) (レス) id: ac2f5c909d (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - 蓮花さん» 覚えている人がいてくれたなんてびっくりです…!!超嬉しい!!笑 ありがとうございます!! (2019年6月24日 7時) (レス) id: 9511f3d914 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱぴこ。 x他1人 | 作成日時:2019年5月4日 11時